わたしの本棚46夜~「樹勢」
名村早智子先生と初めて会ったとき、僭越ながら、亡くなった母を思いだしました。容姿が似ており、声と話し方も似ています。凛とした芯の強さと大きな優しさのある人で、俳句に関する熱い情熱は、討論となっても引かない姿勢にも通じると思いました。
京都を中心とした「玉梓」という俳句結社の主宰であり、会員は300人を超え、10の句会があるそうです。今年15周年を迎えるそうです。
☆「樹勢」 名村早智子著 角川書店 2700円+税
古都を連想させる美しい和の装丁です。著者の第3句集で、あとがき(帯)によると、「我が家の近くにある青漣院門跡の楠は親鸞お手植えのもと伝えられ、樹齢800年を超えている」とあり、そこから当地での暮らしを見守られている思いもある、句集名を「樹勢」としたとあります。好きな5句です。
母いつも摘みしあたりの蓬摘む
どの道を行くも恵方や京なれば
空蝉の風抱きしめてをりにけり
ごまめ嚙む嚙むといふこと覚えし子
言の葉のはじめ片言竜の玉
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