見出し画像

わたしの本棚123夜~「傾山」

 船団の先輩の第一句集です。静岡県にお住まいで、「逢」で12年、「船団」で8年、現在は「海原」に所属されています。句歴22年だそうです。扉の絵を弟の後藤秀宣氏、帯文と跋文を坪内稔典氏が書かれています。(写真はふらんす堂hpの編集日記さんより借りました)

☆「傾山」 後藤雅文著 ふらんす堂 2750円(税込み)

 句集名の「傾山」は山口青邨の「祖母山も傾山も夕立かな」の大分県の傾山で、著者の故郷で心の山だそうです。大分県は、湯布院と別府にしか行ったことがなく、傾山はみたことのない山ですが、故郷の心の山を持つという豊かな感性、いいなあと思いました。小倉から大分に行く車窓でみた、美しい自然風景を思い出しました。「逢」時代、「船団」時代、「海原」時代という所属結社による章分けは、少なからずもその結社ごとのカラーが俳句に反映されているような気もしました。好きな5句です。

☆大蛸が谷に寝ている十三夜

☆渋柿の下弁当がよく売れる

☆寅さんの恋踏んじゃった薄氷

☆棺の中春爛漫の化粧して

☆土間のある暮らし燕の住む暮らし

#傾山 #後藤雅文 #ふらんす堂 #推薦図書 #読書感想文

この記事が参加している募集

#推薦図書

42,671件

#読書感想文

190,781件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?