一十百舌

いとうもずです。二十三の夏から、書くことや企てることを生業にしてきました。還暦を迎え、…

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いとうもずです。二十三の夏から、書くことや企てることを生業にしてきました。還暦を迎え、百寿を祝うミライの自分からエゴドキュメントな連載企画を発注され(妄想)、日々の思いや出来事を書き遺していくことにしました。

記事一覧

還暦は、二度目のハタチ。

2024年5月 賑やかな笑みの月                    本連載企画の序章はこちらから  #coin -scope 001(序章) #coin -scope 002(続 序章) 回り出…

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10日前
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還暦は、二度目のハタチ。

2024年4月 母と歩けば 本連載企画の序章はこちらから  #coin -scope 001(序章) #coin -scope 002(続 序章) ラスト・ディケイドを生きる91歳の日常  雪解けの3月か…

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1か月前
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還暦は、二度目のハタチ。

2024年3月 毎週カカカ、独特の宝庫へ。 カーブスとはそういうところ  肩からの石灰は、肩からの善きお節介となって私を覚醒させた。 「いい機会ですから受けてみては…

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2か月前

還暦は、二度目のハタチ。

2024年2月 骨と雪とお雛様 アットホーム納骨堂  仏壇のない家で育った。  だから、一年前に父が亡くなった時、いわゆる死後の手続きの慌ただしさの中で、仏壇問題にも…

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3か月前
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還暦は、二度目のハタチ。

2024年1月 旅支度そして出立(後編) 死ぬまで続けたいライフワークの仕組みを思いつく。  全国に150万人余りいるらしい、還暦男子と還暦女子。もし私が会社員だったら…

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4か月前
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還暦は、二度目のハタチ。

2024年1月 旅支度そして出立(前編) 妻でもなく、母でもなく、子のままで「還暦」。  生きてさえいれば、誰もが迎えることになる還暦。人生の節目としての感慨はさほ…

一十百舌
4か月前
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還暦は、二度目のハタチ。

還暦は、二度目のハタチ。

2024年5月 賑やかな笑みの月

                   本連載企画の序章はこちらから 
#coin -scope 001(序章)
#coin -scope 002(続 序章)

回り出す、転がり出す、季節の記憶。

 5月の新緑。それはいきなりやってくる。
 ゴールデンウイークの浮揚感の中で一日二日、ちょっと目を離した隙に、北国の木々は手品のようにいっせいに芽吹いてみせる。生まれ

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還暦は、二度目のハタチ。

還暦は、二度目のハタチ。

2024年4月 母と歩けば

本連載企画の序章はこちらから  #coin -scope 001(序章) #coin -scope 002(続 序章)

ラスト・ディケイドを生きる91歳の日常

 雪解けの3月から、まだかまだかと4月を待ち焦がれていた母である。
 転倒の心配をさほどすることなく、お出かけができるからだ。
 雪道は怖い。解けても凍っても怖い。命の危険に直結する。

 大袈裟な話ではない。

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還暦は、二度目のハタチ。

還暦は、二度目のハタチ。

2024年3月 毎週カカカ、独特の宝庫へ。

カーブスとはそういうところ

 肩からの石灰は、肩からの善きお節介となって私を覚醒させた。

「いい機会ですから受けてみてはいかがですか?
50代以上の女性には皆さんお勧めしています」

 激痛から救ってくれた医師にそう言われて受けた骨粗鬆症検診で、私は「予備軍」と判定されてしまったのだ。

 年中無休の安定した食欲を誇り、何でも美味しく食べられる自

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還暦は、二度目のハタチ。

還暦は、二度目のハタチ。

2024年2月 骨と雪とお雛様

アットホーム納骨堂

 仏壇のない家で育った。
 だから、一年前に父が亡くなった時、いわゆる死後の手続きの慌ただしさの中で、仏壇問題にも直面することとなった。

 ・・・そもそも、要る?
 
 そんな疑問がないわけではなかった。罰当たりかもしれないが、「ない」家で育った高齢独身者で末っ子のそれが正直な感覚だ。

 写真立てとお花とお線香、そんな感じで良いんじゃな

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還暦は、二度目のハタチ。

還暦は、二度目のハタチ。

2024年1月 旅支度そして出立(後編)

死ぬまで続けたいライフワークの仕組みを思いつく。

 全国に150万人余りいるらしい、還暦男子と還暦女子。もし私が会社員だったら、還暦は定年の年として、人生の大きな節目になっていたことだろう。家庭を築いていたなら、第二の人生と称して家事も定年とし、趣味をエンジョイしたり、夫と海外旅行に出かけたりしていたかもしれない。
 しかし、そうではない。自分の場合は

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還暦は、二度目のハタチ。

還暦は、二度目のハタチ。


2024年1月 旅支度そして出立(前編)

妻でもなく、母でもなく、子のままで「還暦」。

 生きてさえいれば、誰もが迎えることになる還暦。人生の節目としての感慨はさほどなかったが、アラの後がフィフからカンへと変わること、軸足が中高年の中から高へと変わること、の否応のない重たさは察し始めていた。
 なんとなく意識はしつつ、しかし、し過ぎないように。そうすることで、自分自身を新しいあたりまえに慣ら

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