2024年3月 毎週カカカ、独特の宝庫へ。 カーブスとはそういうところ 肩からの石灰は、肩からの善きお節介となって私を覚醒させた。 「いい機会ですから受けてみてはいかがですか? 50代以上の女性には皆さんお勧めしています」 激痛から救ってくれた医師にそう言われて受けた骨粗鬆症検診で、私は「予備軍」と判定されてしまったのだ。 年中無休の安定した食欲を誇り、何でも美味しく食べられる自分が、骨粗鬆症予備軍だなんて。背丈は低いが体型も骨格も割としっかりしているタイプ
2024年2月 骨と雪とお雛様 アットホーム納骨堂 仏壇のない家で育った。 だから、一年前に父が亡くなった時、いわゆる死後の手続きの慌ただしさの中で、仏壇問題にも直面することとなった。 ・・・そもそも、要る? そんな疑問がないわけではなかった。罰当たりかもしれないが、「ない」家で育った高齢独身者で末っ子のそれが正直な感覚だ。 写真立てとお花とお線香、そんな感じで良いんじゃないの? ウチ、宗教もないんだし。 しかし、「ある」家に嫁いで四十年になる五
2024年1月 旅支度そして出立(後編) 死ぬまで続けたいライフワークの仕組みを思いつく。 全国に150万人余りいるらしい、還暦男子と還暦女子。もし私が会社員だったら、還暦は定年の年として、人生の大きな節目になっていたことだろう。家庭を築いていたなら、第二の人生と称して家事も定年とし、趣味をエンジョイしたり、夫と海外旅行に出かけたりしていたかもしれない。 しかし、そうではない。自分の場合は今まで通り、働ける限り働いて、口を糊していかねばならない。まだ誰も経験したことの
2024年1月 旅支度そして出立(前編) 妻でもなく、母でもなく、子のままで「還暦」。 生きてさえいれば、誰もが迎えることになる還暦。人生の節目としての感慨はさほどなかったが、アラの後がフィフからカンへと変わること、軸足が中高年の中から高へと変わること、の否応のない重たさは察し始めていた。 なんとなく意識はしつつ、しかし、し過ぎないように。そうすることで、自分自身を新しいあたりまえに慣らそうともしてきた。 普段から実年齢をなるべく言わずに仕事をしてきたせいもあり