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~毎度ばかばかしい話を一席~ (2021/07/13)

今回のテーマは映画感想です。 「アイガー北壁」。実話に基づく山岳映画です。

「アイガー北壁」
公開年: 2008年
原 題: NORDWAND
時 間: 127分
製 作: ドイツ、オーストリア、スイス

<概要>
ナチス政権下、遭難事故多発で「殺人の壁」とも呼ばれたヨーロッパアルプスの難所である前人未到のアイガー北壁からの登頂を目指したクライマーたちの挑戦と悲劇を描いた山岳映画です。 いわゆる実話に基づく物語とされる作品のひとつです。

 

<構成>
ナチス政権下の1936年のドイツ。 ナチス政権は国威発揚のため、これまで数々の挑戦者が敗退し遭難事故が発生してきたアイガー北壁ルートの初登攀者に対して金メダルを授与することを発表します(1936年はベルリンオリンピックの開催年でした)。

これに、ドイツ軍人で登山家のトニー・クルツとアンディ・ヒンターシュトイサーが名乗りを上げて北壁に挑戦します。
二人は抜群の体力と卓越した技術でついに登攀成功も間近と見られたところで、別パーティーの事故や天候不良などの不運に見舞われ、やむなく下山を決断します。

しかし本当の悲劇は下山のときにやってきました。 ミスにより下山のルートを確保することができず、進退窮まる状況に陥り、さらに天候の悪化や体力の消耗などにより、もはや絶望的な窮地に追い込まれることになります。

 

<ポイント>
いっとき流行りました、いわゆる「実話に基づく物語」という、歴史的事実をベースにドラマチックに演出を施した半分ドキュメンタリー・半分フィクション的な映画のひとつでしょうか。
登場人物やエピソードのすべてが実在や実際というわけではありませんが、主役の二人は実在の人物ですし、二人がアイガー北壁にチャレンジしたこと、そしてその結末も実際の出来事です。

登攀の前半は天候に恵まれていたようですので、二人の登攀の様子は映画でも描かれているように麓の町グルンデルワルドから双眼鏡などを使って手に取るように把握できたようです。
二人の登攀のシーンは迫真の演技や撮影技術などもあり、とてもリアルに感じられました。 服装、装備や登山技術なども含めておそらく当時の実情をできるだけ忠実に再現しようと努めたのではないかと思われます。

絶望の淵に立っても諦めることなく、最後の最後まで全身全霊を尽くして希望を捨てずに自ら活路を拓こうとする、登山家の不屈の精神が描かれます。

 

<私的な雑感>
山岳映画はだいたいが悲劇的な事故や事件がネタになることが多い印象です。 日本ですと、古いですが「八甲田山」などでしょうか。

世間的には無謀とも思える登山などの冒険については、批判や否定を含めていろいろと議論の余地があると思われます。
しかし、命の危険を顧みず、前人未到のチャレンジにあえて挑み、絶望にも立ち向かう登山家の壮絶な姿に敬服です。

主人公のひとりクルツの最後の最後のチャンスでのピンチなどをみると、「あと、ちょっと!」との無念の思いを禁じ得ません。

 

<参考リンク>
・アイガー (Wikipedia)
・「アイガー北壁」予告編 (YouTube) ※動画/約121秒(CM除く)
・映画「アイガー北壁」 (Wikipedia)
・映画「運命を分けたザイル2」 (Yahoo!映画)
※登山家のジョー・シンプソンがクルツたちのアイガー北壁ルートを辿り解説する内容です。

  

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(2021/07/13 上町嵩広)

 

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