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三つ峠 △山の紹介△(0022)

富士山の好展望で有名な山のひとつ。 山頂域の屏風岩はロッククライミングのゲレンデとして人気。

<山岳名>
三つ峠 (みつとうげ/ 山梨県富士河口湖町など)
※「三ッ峠」とも表記

<概要>
複数のピークが寄り集まった一帯を「三つ峠」と総称。 最高峰は開運山で標高は約1785m。 
日本二百名山、新・花の百名山(フジアザミ)。
近隣の天上山は「カチカチ山」とも呼ばれ、太宰治の作品『お伽草紙』のなかの一編「カチカチ山」の舞台とされている。

<所在地>
山梨県富士河口湖町、都留市、西桂町

<アクセス>
登山口:三つ峠登山口
富士急行線「河口湖」駅から路線バスで「三つ峠登山口」バス停を下車。
登山口:天上山
富士急行線「河口湖」駅から徒歩約15分(護国神社そば)
登山口:表登山道
富士急行線「三つ峠」駅から徒歩約30分(三つ峠さくら公園)
[参考]
*特急電車
JR「新宿」駅から富士急行「河口湖」駅まで直通(乗換なし)の特急「富士回遊」が運行されています。約2時間。
JR中央線特急「あずさ」または「かいじ」で大月駅までゆき大月駅で富士急行線に乗換え。「あずさ」は大月駅に停車しない便もあります。 大月駅から富士急行線には河口湖駅行きの特急電車もある。 約2時間30分。
*高速バス
新宿(バスタ新宿)から河口湖の間を結ぶ路線。2時間程度。
※待ち時間・乗換時間は含みません。
※別途、特急料金が必要。

<国土地理院地図>
三ツ峠山


登山 トレッキング アウトドア 山の紹介
山の魅力

<三つ峠の魅力>
第一に、東京近郊で富士山眺望の山としてもっともメジャーな山のひとつではないでしょうか。 
知名度は箱根の金時山などとも並ぶかと思われます。 山行時間が短くてすみ、難所や急登などもなくアクセスも比較的便利なので登山者はとても多いです。

第二に、縦走して歩いて行ける天上山は観光スポットとしても人気です。
天上山は「カチカチ山」として近年は観光開発されてショップも設けられています。 童話「カチカチ山」にちなんだ観光設備も各種あり、子どもを含めた家族で楽しめる娯楽要素があります。 三つ峠から天上山までのルートはほぼ樹林帯で新緑の季節には青葉がとても美しい森歩きを楽しむこともできます。 また天上山は約10万本のアジサイが見事に咲き誇ります。

第三に、四季を通じて楽しめる山です。
二軒の山小屋は通年営業をしており、どちらの山小屋にもお風呂があるところが大きな利点でしょうか。 また立寄りの際の軽食メニューも比較的充実しております。
日帰り登山可能なので、河口湖観光などと組み合わせて麓に宿泊し、滞在期間中のアクティビティとして登山を楽しむこともできると思います。


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登山コース

<登山コース>
※標準的タイムによる目安です(休憩含まず)
(1)三つ峠登山口(裏登山道)コース
バス停から山頂まで1時間半程度のアプローチのため比較的よく登られるルート。
富士急行線「河口湖」駅からバス→ 三つ峠登山口バス停→ ベンチ(60分)→ 三ッ峠山荘(40分)→ 三つ峠山頂※開運山(20分)→ 木無山(30分)→ 鉄塔(70分)→ 霜山(20分)→ 天上山分岐(30分)→ 天上山(40分)→ 護国神社(40分)→ 河口湖駅(10分)
歩行時間/ 約7時間
標高差/ 約900m強(バス停~山頂は500m強)

(2)表登山道コース
江戸時代以前に三つ峠が信仰の地であったころの名残があるルート。
富士急行「三ッ峠」→ さくら公園(30分)→ いこいの森(50分)→ 達磨石(20分)→ 馬返し(60分)→ 八十八大師(50分)→屏風岩→ 三つ峠山頂※開運山(60分)→ 木無山(30分)→ 鉄塔(60分)→ 母ノ白滝(30分)→ 「河口局前」バス停(30分)
歩行時間/ 約7時間
標高差/ 約1100m


<登山道の特徴>
いずれの登山道も難所や危険箇所はほとんどありません。

三つ峠登山口には河口湖駅からバスでアクセス可能で山頂までの歩行時間も短いですので初心者向けと思われます。

三つ峠駅からのアプローチは、どちらかというとだらだらとした傾斜なので長く感じるかもしれません。 とくに三ッ峠駅からのアプローチ(表登山道)はバスなどもないので約30分、舗装道路を歩くことになります。

表登山道はかつて三つ峠が信仰の山であったころの正規ルートですので、信仰の遺物や跡を確かめることができます。 また屏風岩の直下を通りますので、ロッククライミングに励むクライマーたちの姿をダイナミックに拝むことができます。

開運山山頂は近年、改めて整備されましたが、やはり人気の山ということもあり、オーバーユース気味で地肌が削れてしまっているようなところもあります。 赤土が剥き出しの斜面はとても滑りやすいです。

山梨県の山のグレードによると、技術的難易度「A」・体力度「2」となっています(上記登山コース(1)のバス停~山頂)。
※難易度:A→E(低→高)、体力度:1→10(低→高)

 

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<売店等>
山頂直下に山小屋が2軒あります。 軽食の提供もあり、メニューは比較的充実しています。
河口湖駅には土産物コーナーが併設されています。 また駅から徒歩圏内にコンビニがあります。 
三ッ峠駅から徒歩圏内にコンビニがあります。
天上山には土産物店があります。

<入浴施設>
開運の湯 (ロイヤルホテル河口湖) 河口湖湖畔
ふじやま温泉 (※公式サイト) 富士急ハイランドそば
三ッ峠グリーンセンター (※公式サイト) 表登山道口そば

<お食事処>
ほうとう不動 (※公式サイト)
甲州ほうとう小作 河口湖店 (※公式サイト)
山麓園 (やまなし観光推進機構) ろばた料理・ほうとう

<山小屋>
四季楽園 (※公式サイト)
三ッ峠山荘 (※公式サイト)
※河口湖駅と湖畔にはホテル・旅館が複数あります。 (河口湖温泉旅館協同組合)

<付近の山>
石割山
本社ヶ丸
御坂山・黒岳

<名産品>
吉田のうどん
ほうとう

<そのほかの補足>
「吉田のうどん」のお店もありますが、ほとんどが早い時間(14時か15時)には店終いしてしまいます。 麺が無くなり次第終了の店も多いです。
河口湖駅と三つ峠登山口の路線バスは運行時間帯と本数が非常に限定されているので、ご利用の際は事前によくご確認ください。 駅とバス停の間は歩く距離ではないです。
山小屋の前に設置されているテーブルは使用料が必要ですのでご留意ください。 またテーブルでの火器の使用についても管理する山小屋に了解を取った方がよいようです。

 

<私的な雑感>
登山を始めてから、最初に三つ峠を登ったとき(小学生のときに家族旅行で登ったらしいが記憶にはない…)は、「三つ峠」駅から登ったのですが、そのときに駅に下りた登山者は私一人だけ。 
駅員さんからは「ここから登るの?」とちょっと怪訝そうにされました。 そんなに少ないですかねー。 また公園の登山口まで歩く間にすれ違う地元の方から「こっちから登るんなら大変だね」と励ましの声をいただきました。

登山口まで約30分の舗装道路歩きとなりますが、ただ、この道のところどころで目にすることができる富士山の姿には見惚れました。 「やはり東京でみる富士山と違ってデカイ!」 その存在感には思わず感嘆しました。
またこの表登山道は登山者が少ないだけにおかげさまで静かな山行が楽しめました。

初めて登ったときは、山小屋から山頂までのアプローチの斜面が現在のようにまだ再整備されておらず、人が登った跡がえぐられて溝状になっていました。 ちょっと無残な状態で、すこし心が痛みました(まあ、私もその一人なのですが…そのあとはしばらく足が遠のきました)。

山頂は登山者で大賑わいですが、山頂のすこし下に脇へ入ると静かに景色を眺めることができるスポットもありますので、そこでのんびりとコーヒーでも飲んで富士山をしばらく眺めながらチョコ菓子を囓るのが、この山での私のお気に入りです。

 

<備考>
●天下茶屋 (※公式サイト)
太宰治・井伏鱒二が逗留した旅館。 現在は茶屋として営業中(宿泊はできません)。 2階に太宰治の記念館あり。
●富嶽百景 (青空文庫)
太宰治が天下茶屋での滞在中のエピソードや心象などをまとめた作品
●屏風岩(三つ峠) (クライミング・ネット)
三つ峠(開運山)山頂直下にある岩壁。 ロッククライミングでは人気のゲレンデ。
●お得な切符 (富士急行)
●冬期登山
冬季の積雪期登山の場合は、さすがに軽アイゼンがないと危険なところがあります。 ただこのような条件を生かして雪山登山入門コースとして利用されてもいます。

<お天気情報>
三ツ峠山 (tenki.jp)

<参考リンク>
開運の山 三ツ峠山 (富士急行) ※ルートマップあり
富士山パノラマロープウェイ(天上山) 
新宿~河口湖の高速バス (富士急行バス)
河口湖周辺の路線バス (富士急行バス)
富士河口湖町観光情報サイト
富士山世界遺産センター 
山と高原地図「32.富士山 御坂・愛鷹山」 (昭文社)
富士吉田警察署
山梨県・山岳情報 (山梨県警察)
山梨 山のグレーディング (山梨県)

 

<バックナンバー>
バックナンバーはnote内マガジン「山の紹介」にまとめています。

0021 男体山(日光)
0020 浅間嶺と浅間尾根
0019 幕山
0018 一ノ倉沢/谷川連峰(冬季)
0017 北八ヶ岳周遊(冬季)
0016 城ヶ崎海岸
0015 苗場山
0014 天狗岳(八ヶ岳)
0013 燕岳~常念岳
0012 大杉谷~大台ヶ原
0011 北岳
0010 雲取山
0009 御前山(奥多摩)
0008 大楠山
0007 飯盛山
0006 赤城山
0005 大山(丹沢)
0004 三頭山
0003 宮之浦岳
0002 雨飾山
0001 編笠山

 

<ご留意点>
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(6) 不定期更新です。 毎月一度を目安に更新を予定しております。
(7) カバー写真と、今回ご紹介した山とは、関係はありません。
(8) 情報は掲載日時点の内容です。
(9) 登山道等の状況については、適宜、現地の観光協会、ビジターセンターや山小屋などの各関係機関にあらかじめご確認くださいますようお願いいたします。
(10) 自治体により登山届や各種装備の義務化などの条件がありますのでご留意ください。詳細は各自治体や警察等にご確認くださいますようお願いいたします。
(11) 今般の新型感染症の影響で各種施設等の利用については制限などが行われている可能性があります。ご利用の際には詳細について事前に各種施設等へご確認などをお願いいたします。

(2022/05/11 上町嵩広)


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