誕生日パスワード
誕生日をパスワードにするぐらい、とても容易なことだ。
パスワードにされた誕生日を想う。
この数字は、俺のパスワードにされるなんて、夢にも思っていなかっただろう。
待てよ、そもそも数字は、夢なんて見るんだろうか。
という夢を見た記憶がある。
俺は、俺の生まれた生年月日を呪いもしないが、祝福もしない。
ただ存在しているだけだ。
しかし、俺が、この世とやらに生を受け、ひとつの存在として鼓動があることは、
何かによって、生まれさせられたことは、
何か尊いことのような気がしている。
よく、ある、少女漫画の美少女が流す水色の涙。
文化祭で使う、すずらんテープみたいだ。
俺はそれを、女子が使うコテでいつか巻いてやりたいと思っている。
ぐるぐるになったすずらんテープ涙(仮)。
俺にはとてもそいつが必要な気がしているんだ。
今の俺に、とてもそぐう気がしているんだ。
俺がまた、別の何かになる前に、水よ涙よぐるぐると負け。
俺ん家のリモコンだけが知っている一番指紋の多いチャンネル
1という数字に一番多くある指紋が誰のか知っているのか
俺またはワタクシまたは俺またはボクと呼べるのかよそいつはよ
位置情報ばっかり集まる場所からは俺の夜食のラーメン見えず
ヒトナミニオゴレヤ・オゴレヤ睫毛から際立ち始める夜の落書き
美少女戦士は笑わない、俺はいつものように、輪ゴムをラーメンと間違え、選択を間違え、洗濯を忘れ、シャンプーを忘れ、コーラをはしゃぎ、俺を忘れて、俺が生まれる。
ネットからあふれる意味がせめぎあいオレオレ詐欺の主犯はいない
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