見出し画像

栄養不足

仕事の文句を言う人を見れば、その仕事をやめちまえばいいと思ってきた。そのわたしはこれから、しあさってがしめきりの仕事に取りかからなくてはいけない。その前に道具を出す所の床を掃除する。それなのに、体を動かす方法がわからない。仕事なら電話1本で断れるのに。責任感はわたしの生活必需品であるようだ。仕事、つまり掃除をし始めるきっかけがいつなのか、決めることができない。掃除が済んだら道具を出して、その中のオアシスと呼ばれるフラワーアレンジメント用のスポンジを切らないといけない。それか、花器に貼る紙とセロファンの長さを測って切る。手間を引き受けたのはわたしなんだが、ぞっとして身がすくむ。始めないことにはひとつも形にならない。責任が栄養になるはずなのに。自分がそれを、今日中にできると思えないことが、体を不動にする。

ありがたいことです。目に留めてくださった あなたの心にも喜びを。