信頼とは?

私は14人の人格の統括者である。

本来、主人格が背負うべき障害を私たちはそれぞれが分割して持っている。主人格がそれらすべてを持って生活していれば、間違いなく寝たきりの生活であっただろう。

今日はポンコツヒーローを名乗る彼について書きたい。


彼は軽度とは言い難い発達障害を持っている。
・場の空気が読めない。
・話に割って入る。
・人間関係で他者との距離感が掴めない。
などなど、そしてこれらと向き合うこともしてこなかった。私自身も彼が主人格の命を何度も救っていることから、彼をずいぶん甘やかしてきた。

その結果、事件が起きた。
性的体験のPTSDによるフラッシュバックを持つ人格に対して、決して言ってはならぬ発言をしてしまったのである。

常に冷静に!
をモットーとして生活している私であるが、あまりの心ない発言に、彼を平手打ちしてしまった。私たちは、頭の中で物理的に触れ合うことができないので、彼が怪我をすることはなかったが、彼は仲間から、そして主人格の恩師からも信頼を失った。

それでも私はもう一度、彼にチャンスを与えたい。
失った信頼は簡単には元には戻らない。
しかしながら、彼が自分の障害と向き合い、反省し、成長を遂げてくれることを信じて、私自身が、仲間たちが、彼を再び受け容れられる日を待っていたい。そのためには、私自身も発達障害をもっと知る必要があると考えている。

信頼とは何か、今一度、私自身がしっかり考えていきたいと思う出来事であった。