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理想主義の私は

いつか、
誰かが私のことを救ってくれると
信じていた。


テレビで見る、ドラマで見る、snsでみる

「今の恋人がいなかったら」
「あの友人がいなかったら」

という言葉たちから
みんな誰かに助けてもらっているんだと
地獄にいたら手を伸ばしてくれる人がいるのだと
掬い上げてくれる人がいるのだと
誰かが私を必要としてくれて
愛してくれて、
きっと、いつか、
だから助けにきてくれるのだと
信じていた。

ずっとそう思ってきたし、
待っていた。

待っていれば誰かが来てくれて、
ここから出してくれるのだと、
明るい未来が開けてくるのだと、
思ってた。
それだけが希望だった。

でも、そんなの来るわけがなかった。
誰もきてくれなかった。

私のことは、私が救うしかなかった。

受け身では人生は進んでいかないし、
当たり前のことなのに
それに気づくのにかなりの時間がかかった。

私は私を救うための余裕がなかったのかもしれない。
誰も来ないと気づいていながら、
気づかないふりをしていたのかもしれない。
誰かに頼りたいと、願っていたのかもしれない。

薄暗くて、
レースカーテンが一面の部屋のように、
光は見えるのに
その先に一枚壁があって
向こう側に行けない苦しさ。

真っ暗で、
遮光カーテンが一面の部屋のように、
先が見えなくて、
動けない苦しさ。

そのどこからも、
私を救ってくれる人はいなかった。

その部屋に閉じ込められるたび、
私は言葉を書いた。
気持ちを、理想を、願いを、苦しみを、
助けてくれる言葉達を探して、
ノートに書き写した。
そして、苦しくなるたびに見返した。

私は、私にしか救うことができないのだと
気づいた時から、
言葉で私のことを救ってきた。

時に、
私から紡ぎ出された言葉で、
時に、
同じ世界を生きる誰かから紡ぎ出された言葉で。

これからも
誰かが助けてくれるなんて思わない。

私が1番辛い時、
誰も助けになんて来てくれない。
そばにいて、欲しい言葉をくれたりもしない。
ぎゅっと、気持ちを丸ごと抱きしめてくれるひとが
いる訳じゃない。
恋人がいたって、それは同じ。



私は、私にしか救えないから





私はこれからも、言葉で自分を救うことにした。






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