マガジンのカバー画像

ドイツ生活のぼやき

24
ドイツ暮らしをするなかで思うことを綴っています。
運営しているクリエイター

#ヨーロッパ

区切りがよく分からない。ドイツ生活のぼやき - 19

ドイツで生活していて、「え?これで話は全て終わったの?」と区切りがよく分からないシーンが多いことに気がついたので、ちょっと書いてみます。というのも、これは世界中のみんなが困っているテーマかと思っていたのに、イタリア生まれイタリア育ちの夫にとってはあまり大きな問題であるようには見えず、わたしの問題なのか、日本育ちの人特有の困難なのか、気になったので……。 不思議な沈黙、薬局にて 先日薬局(アポテーケ)で処方箋なしで買える一般的な薬を買いました。そこでの会話がぎこちなかったの

強い主張と、権利を守るドイツ人。ドイツ生活のぼやき - 17

音大が提供する「歴史的ダンス」というクラスに通い始めて2年目。途中1学期休んでいるし、ドイツの学生の長期休みは確かに文字通り長期なので、休み休みという感じではあるけれど、今は晴れて「上級者コース」に所属しています。 このクラスは、音楽学者でもありプロのダンサーでもある先生のもとで、音楽の学生や他ジャンルダンスの学生たちがルネサンスダンスやバロックダンスを学び、そこで得た知識を自分たちの演奏に生かすことを目的としているので、レベルもそれなりに高いように思います。 わたしは演

分かりたい友だちのこと。ドイツ生活のぼやき - 15

彼女はとても優しくて、ふわふわの物が好きで、それでいて自分の意見をしっかりと持ち、議論することが好きな人。言語が得意で、ヨーロッパのいくつかの言語に加え、日本語もとても流暢に話す素晴らしい人。 でも、最近彼女のインスタグラムを見ていると、ほとんど人種差別的な投稿が増えていることに気がついた。イスラエルとガザ地区での出来事について、徹底的にユダヤ教徒の味方でいることはいいのだけど、それらしい言い分で「殺されても仕方ない人間がいる」というようなことを書き連ねる。そして、この意見

ソーセージ手作り体験。ドイツ生活のぼやき - 13

ドイツと言えばソーセージ。先日ソーセージ作りを趣味にしている方のお家で、初めてのソーセージづくり体験をしてきました。実際にお会いしてみると、趣味どころではなくかなり専門的にソーセージ作りを学んでいるのが分かりました。 「きほんのソーセージ」ということで、初心者にも作りやすいシンプルなレシピということでしたが、道具も必要ですし、何より細かい箇所でテクニックが必要なため、経験者の助けなしには難しいと感じました。これを一人でやり始めた彼女は素晴らしい! 今回も写真が多めになって

わたしの街のハロウィン風景。ドイツ生活のぼやき - 12

わたしが住む街では、今日10月31日はハロウィンでもあり、宗教改革の日でもあります。 ルター派教会(プロテスタント)が多数派の州では今日が宗教改革の日(Reformationstag)として祝日、カトリックが主流の州では明日11月1日が諸聖人の日(Allerheiligen)で祝日なのです。国の中で祝日が違うって面白いですよね。 宗教改革の日もわたしにとっては興味深いことがたくさんあるので好きなのですが、今回はハロウィンについて書きたいと思います。写真多めです。 美味し

大人って、いいじゃん。ドイツ生活のぼやき - 8

時刻は午後6時。ドイツには珍しい、湿度の高い土砂降りの雨で終わろうとする、ドイツ統一の日。祝日はほとんどの店が閉まっているし、学生たちは実家に帰るし、慣れないうちはこの静寂が少し寂しいような気がしていましたが、今となっては日曜日*や祝日のこの静けさこそが心の安らぎになっています。 *ドイツは日曜日も祝日と同様、たいていの店が閉まっています 10代の自分に言いたい 「大人はそんなに悪くない」祝日だからと、昨晩夜更かししたせいで、今朝は10時頃までゴロゴロし、それに伴ってお昼ご

10日間の人間生活。ドイツ生活のぼやき - 6

女性なら分かる方も多いかもしれないのですが、わたしには人間らしく生活できるのが月に10日ほどしかありません。病気なわけではありません。PMSやPMDDといった月経前症候群に悩んでいるためです。 話を始める前に、この記事の内容はすべて「わたしの場合」であることを強調しておきます。 「月経」と言うと、生理の1~2日目に重い症状が出がちというのがよく知られている話かなと思いますが、わたしの場合はその後も1週間ほど血液不足が原因なのか、あまり元気に動くことはできません。しかし、最

結婚したい男の子たち。ドイツ生活のぼやき - 5

ドイツに住み始めてから3年、数年前にワーキングホリデーをしていたのを合わせても4年ほどと、ドイツ生活がそんなに長いわけでもないのですが、仲の良い友だちというのは何人かいます。 その中で、特に食事の話で盛り上がるのは、やはり日本人です。彼ら彼女らの中にはドイツの食生活に慣れて、上手く節約している方もいます。が、やっぱり日本食が恋しい!カルテスエッセン(冷たいお食事)じゃ満足感が得られない!と思うわたしは、基本的に日本食かイタリア料理を作っています。ドイツのお食事は基本的にレス

真面目な日本人。ドイツ生活のぼやき - 4

街を歩いていたら、久しぶりの日本人の知り合いに会いました。手にはタピオカドリンク。「お久しぶりですね」と声を掛けると「えへへ、今バイト帰りでちょっとご褒美」と微笑んでくれました。そしてそのまま立ち話をして、なんとも興味深いことを聞いたのです。 彼女は音楽を生業にしているので、アルバイトってなんだろうと詳しく聞いてみると、めがね屋さんで働いているとのこと。しかもそのめがね屋さんが、ちょうどわたしが行きたいと思っていたお店だったのだから、「他店…というか、日本で買っためがねも調

わたしの肩書きは。ドイツ生活のぼやき - 3

本業は学生、のはず。わたしはドイツの大学院に籍を置いているので、学生です。履修すべき講義やゼミにはすべて出席したので、残っているのはインターンシップでの報告書、コロキウムでの論文中間発表、そして修士論文執筆のみ……。 学期によっては興味のある授業を聴講しに行くこともありますが、そういうのはほとんど趣味です。イタリア語や中国語、ヨーロッパの貴族が踊ったルネサンス・バロックダンス、あとはドイツ語の手書きの文字を解読するための実践的なゼミなど、自分の研究に役立ちそうな授業に顔を出

別れの夏。ドイツ生活のぼやき - 1

夏は別れの季節。新年度が秋始まりのドイツでは、夏にさよならを言う機会が多いのです。 わたしがドイツに住み着いたのが、パンデミック真っ只中、2020年の秋のことでしたが、社会が再び動き始めた今年の夏、初めて大きな別れを経験しました。昨年からベビーシッターをさせていただいていた日本人のご家族が、違う街へと引っ越してしまったのです。 定期的にベビーシッターをしていたわけでなく、月に1回あるかどうかだったのですが、ご夫妻の優しさと温かさだけでなく、お子さんの成長や可愛らしさを見る