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#27《登校拒否》運動会


【家族それぞれの思い】

応援団(しかも副団長をゲットしてきて)になって、
かーーーなりかーーーーーーなり張り切ってる長女。

毎晩アレクサで音楽をかけて、
キレッキレの運動会ダンスを披露してくれる双子の女の子ちゃん。

父も母も是非とも観に行きたい。
じぃじばぁばはどちらも遠方。
さて、男の子くんはどうするか。

本人に聞いてみると、
「見たい」
と一言。

『どこで見るの?パパとママと?』
「うん」
『お友達がみんな校庭にいるのに、男の子くんはパパとママと一緒に見てるの?』
「うん」
『他のお父さんやお母さんに何か声かけられるかもしれないよ?どうしてここにいるの?とか言われるかもよ?』
(当日にショックな出来事となると困るので予め最悪のシナリオを予告しておく。)
「うー、、、ん。でも行く。」

見たい気持ちは強いみたい。
一人でお留守番は無理って気持ちも強いみたい。

でも当日、今の超繊細モードの男の子くんにしたら、ちょっとした心ない言葉で深く深く傷ついちゃうかもしれない。

・・・どうしらいいものか。



【学校からの配慮】

いつも通り登校支援教室に通っていたら、

『運動会の日、この部屋を開けますので、自由に出入りしてください。』

パアッっと視界が開けた感じがした。
一気に色んな不安が吹き飛んだ。

男の子くんも立ち上がってジャンプして喜ぶ。

なんて有難いことでしょう。
運動会の表舞台の運営だけでも、きっと私には計り知れない苦労があって、
配慮する対象は子どもたちだけでなく、
保護者やPTAに来賓。
校長先生も今年新しくこの小学校に来た方だし(男の子くんの担任も)、
登校支援教室だって今年度新たに出来たお部屋なのに。

そして、いつもこの教室に通ってるから、私は知っている。
今のところそんなに利用者は多くない。
長時間いるのは、いつも私と男の子くんだけだし、
たまに入ってくる子も固定されてて、二人くらいか?
その子たちも休み時間だけだったり、
ある一時限だけだったり。
利用してる子どもが自分で判断して、登校支援教室で少し過ごしてまた教室に戻っていく感じ。

母がいないと登校できなくて、
(たまたま私が働いていないタイミングだから出来る付き添い)
教室に入ることが出来ない、
つまり、運動会でこの部屋を必要としているのは、
私が知る限りでは、他にいないように見える。


登校支援教室の先生が声を上げてくれたのだろうか?
担任の先生が気づいてくれたのだろうか?
校長先生はすぐにこの教室の解放を決めてくれたんだろうか?

何がどうなって、この登校支援教室の使用が決まったのかはわからないけど、
誰かが動いてくれたことは確か。

こんな陰の存在みたいな、しかも少人数の生徒にまで配慮してくれた学校には本当に感謝しかない。



【当日】

姉二人は張り切って出発していった。
私と夫と男の子くんの足取りも軽い。
登校支援教室を解放してくださった学校側の配慮のお陰だ。

男の子くんは、
「早く行こう行こう♪」
と、笑顔いっぱい。

たくさんの保護者が次々と校庭に入っていく。
子どもたちも椅子を持って校庭に出てくる。

男の子くんと私は早々に安全地帯(登校支援教室)へ。

三階から校庭を見下ろせる教室。
他の2人の子どもたちの頑張ってる表情を近くで見られないのは残念だけど、、、
エアコンも付いてるし、椅子もあるし、快適。

いや、快適すぎる。
他に誰もいないし(後から他の利用者もいた)。

本当は男の子くんにも元気に運動会に出て欲しかった。
その思いが叶わなかった強がりなのかもしれないけど、
男の子くんに出られなかったことへの励ましの気持ちも込めて、

『男の子くんのお陰で最高の場所で運動会観られるよ~♪涼しいし、座れるし、よく見えるしね♪ありがとう。』


男の子くんは、数日前に他の2年生が踊るときに手に持つポンポンを渡されてて、
それを持って登校支援教室から応援。
他のみんなが校庭で踊るのをバックに写真も撮って。
大切な男の子くんの運動会の思い出が、
ちゃんと笑顔の写真で残せたことにホッとする。

2年生の運動会を思い出したときに、なんとなくでも楽しかった思い出として残ってるといいな。


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