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違う場所で働くことは、どんな働き方をしたいかを見つめ直す機会。(2020年10月ワーケーション記録その4)

2020年10月、2週間のワーケーションに関する記録は今回が最後になります。だんだんモノローグになってる気がするのですが。

前回はワーケーションで色々訪れる中で、第2のベースができるって良いよって話を書きました。

このシリーズ最後は、木曽福島への初訪問の話です。このシリーズの中では、もっとも自分の暮らしとは離れた環境で、しかも初訪問。今年3月、バリ島で行われたCU ASIA2020というイベントでお会いした2人の地域おこし協力隊員、坂下さんと西尾さんがいらっしゃるということで、一度訪問して見たいと思い、行ってきました。イベントをやったり、参加したり、地元の方と話したり。全てお2人の人脈あってこその経験です。

木曽町の素敵なコワーキングスペース「ふらっと木曽」

今回行った木曽福島は塩尻と中津川の真ん中あたり。東京からだと高速バスで行くのが一番早いかもしれません。名古屋からだとワイドビューしなので1時間半しかかからないので、比較的楽に行くことができます。

「木曽の〜おんたけさんは〜♪」で有名な木曽節のふるさとで、中山道沿いの古くからの宿場町。温泉旅館がいくつかあります。コロナ前までは古い街道に魅せられた外国人観光客も多く訪れていたそうです。

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そんな中にできたのが町が運営するコワーキングスペース&キッチン&サテライトオフィス「ふらっと木曽(ワークセンター木曽町)」。坂下さんと西尾さんの今までの取り組みはこの記事が素敵に取り上げているのでご覧ください。

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ワーキングスペースとしては、インターネットも高速で、外の自然を見ながら働くこともできますし、地元の木を中心に使った机は温かみがあって、とても居心地が良い場所です。町の人たちも訪れては話をしたり、と交流の場になっていました。

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コロナ禍で一時期閉鎖しなくてはならなかったり、大変な時期は続いたものの、オンラインとオフラインのイベントを組み合わせて、常にチャレンジを続けています。滞在中にはオンラインとオフラインを組み合わせて、信州上松の椿井木工舎の木の トレー で「日々の食のシーンを盛り付けデザイン」しよう というイベントが開催されていたので参加。上松町は木曽町のお隣で、そこで丁寧に作られている木のトレーの制作工程の動画を見ながら、自分たちで盛り付けた写真に盛り付けデザイナーの飯野登起子先生がアドバイスをくださる、というイベントでした。

木曽で作られたものがどのように使われているか、製作者さんとコミュニケーションしながら最先端のデザインセンスを学ぶ、というまさにこの地域らしいイベントです。

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里山暮らしの中に、都会の働き方を持ち込むべきなのか?

木曽に滞在したのは3日間だけでしたが、古民家に滞在し、ふらっと木曽で普段の仕事をしながら気分転換に川沿いを歩いたり、足湯をしたり、お風呂は毎日500円で入れる温泉旅館の日帰り風呂を利用してリラックスしていました。

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一方で、ふらっと木曽を離れるとネット環境もあまり良くないですし、夕方には飲食店以外はすぐ閉まってしまうし、都会の仕事を持ち込み、都会の時間感覚で仕事をするのは正しいのだろうか?と思ってしまいます。素晴らしい自然、温泉、星空。せっかく来たらそういったものを体験する方が豊かなのではないか、という疑問も。

もちろん普通に来て、都会の仕事をして、良い景色と食事を楽しんで、里山ワーケーション、ということはできます。一方で、都会のスピード感での仕事に疑問を感じてしまう瞬間もありました(笑)やはりいわゆる「仕事」に使う時間ってもっと短くてもいいんじゃないか?と。

土地に根ざす人にも、ワーケーションの機会を

今回はこのようなオンラインイベントも開催させていただき、全国から(海外も!)地域おこし協力隊や、コワーキングスペースの運営者など主にワーケーションの受け入れ側の場を作っている方が多く参加してくださいました。

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参加者の方々はみんなその土地について本当に真剣に考えて、行動している人ばかり。しかし、世の中が「ワーケーション」と騒いでいる中で、受け入れる側の人はなかなか旅に出る事がかなわないのが共通の悩みとしてあがっていました。

ゲストハウス経営者が旅に出られない問題、などもよく聞きますが、地域に根ざして活動している人も、交換・交流などを行えるようになると良いのかもしれません。似たような業務を各地域でマッチングして、経験して、ベースの場所に持ち帰るとか。

なかなか自由に移動する事が良しとされない時代ではありますが、やはり現地に行かないと見えないものも多いものです。移動したからすぐに人生が変わるほど世の中は甘くありませんが、変えられるきっかけとして移動は有効だなとも思いました。

「どんな地域にして行きたいか」が重要なのかも

イベントの時に「ワーケーション」と一口に言っても最近は「働く」ことに対して遊ぶ、楽しく、暮らす、食べる・・・など色々な要素が結びついており、そのどの部分にフォーカスするか、また誰と行くかによっても目指す場所は違うという話をしました。

参加者の方が、「最近は自分の地域に人を移住させたい、とはいうけれど、その後地域をどうしたいのか、どんな町にしたいのかが見えないことが多い」とおっしゃっていましたが、これも考えさせられた視点です。どんな人も取り残さない、という視点は必要なものの、どこも同じような施策をしてはつまらなくなってしまいます。働く+αの部分をどうするか(木工、陶業、果樹園など振っているところも面白いと思うし、スポーツとか芸術などのアクティビティ重視もそういうファンが集まるのではと)、ワーケーションブームの一時的なものでなく、どんな町にしたいのかという根本が重要なのかなと。

引き続き、場を持つ人も、場を利用しながら移動する人も、人が移動することによって人生や社会が豊かになれるような、そんな仕事をこれからもして行きたいと思った今回のワーケーションでした。






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