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読書と平凡な日常4 羊とバニラモナカジャンボの話

 どうも、紅りんごです。昨日見た夢の内容を書きたかったんですけど、忘れちゃいました。最近夜更かし気味なので、今日は早く寝ようと思います。それでは、4冊目。

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 4冊目は米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』。とあるお嬢様大学の読書サークルを中心にして起こる狂気の連鎖。米澤穂信先生ならではのおどろおどろしい雰囲気と珠玉の1行が味わえる1冊です。上記の通り、私は『身内に不幸がありまして』のとある部分に強く共感しました。(同じ悩みがある方は是非ご一報を。)どの話にもお嬢様が関係するとあって、主従関係が話の軸を担うことが多いです。忠義や復讐、あるいは狂気。人を駆り立てるのは、熱烈な衝動なのだと思い知らされます。そして、イヤミス系の本作、もちろん題名も読み進めれば意味が分かるようになっています。その手の作品に詳しい方なら羊でピンと来るかもしれません。是非、読んでみてください。

 読めば羊の事は一旦忘れたくなる本作ですが、私自身羊に関して嫌な思い出があります。
 幼稚園児の頃、家族で牧場に行きました。どこに行ったのかは忘れましたが、父が「羊を見に行こう」と言って、その頃は愛らしかった私を連れて羊のエリアへと入りました。しかし、奈良公園の鹿が手ぶらの人間に無関心な様に、羊も手ぶらの私達には見向きもしません。要は餌がいるわけです。ちょうど入り口の辺りに用意された自販機、その中にはガワだけのバニラモナカジャンボ(中に餌が入っている)が売っていました。熱唱する銀髪のイケオジを思い浮かべつつ、ボタンを一押し。軽快な音を立てて、取り出し口にモナカが落ちました。
 しめた、と町中の自販機よりも広い取り出し口へと手を伸ばしたその時。私と父は、食欲に我を忘れた羊たちの波に吞み込まれました。臭い身体に三白眼、可愛らしさの欠片もない生命体に私は恐怖し、今なお羊とバニラモナカジャンボを見るとその事を思い出します。どうか、夢に出ませんように。今日はこの辺りで、ごきげんよう。

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