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「I love lettr 」  あさのあつこ

久しぶりに 気持ちのいい天気となった。

雨が続いたり、風が強かったり、あまり嬉しくない天気が続いていたので、今日の陽ざしは、かなりうれしい。

こんな日は、外で本を読みたくなる。

ぽかぽかの陽の光をあびながら、
そこそこの珈琲をお供に、
本を読む。

(そこそこの珈琲というのが大事。
あまりに美味しいと、珈琲に気がとられてしまうから。
あ~~。めんどうくさいやつ。)

そして、そこには、安心して入れるトイレも必須。

私のトイレへの抵抗感はかなり大きくて、
どこにでも入れるわけではない。
清潔なことはもちろん、
安心感があることが必須条件。
不特定多数が出入りする公衆トイレは、かなり苦手である。

どこのトイレも、「とらや」のトイレみたいだったらいいのになあ。
たとえば、「とらや」京都一条店に隣接する虎屋菓寮のトイレだったら、私は住める。

この頃、カフェなどおしゃれなお店がどんどんできているが、
お店をプロデュースする際に、トイレのことを、かなり上位においてほしいと、つねづね思っている。
売り上げに、かなり影響することやと思うけどなあ。


陽ざし、珈琲、トイレ。
そして本。
そんな条件を満たしてくれる場所を考えてみる。
どこに行こうかなあ。


昨日、図書館で借りてきた本を読み上げた。

あさのあつこさんの「I love letter」である。

実は、わたしは「バッテリー」を読んでいない。
「バッテリー」以外は何冊か読んでいるのに、
もう今更、手が出せなくなっている。
作品によって、とても印象が異なるように思えるあさのあつこさんなので、いつの日か「バッテリー」を手に取ることは、とても楽しみ。
でも、まだ読まない。なんでや。

さておき、
「I love lettr」の話である。
ストーリーも楽しんだが、一番心惹かれたのが、ILL(I love letter)という文通が仕事の会社である。
会員制で、年会費を納めると、自分のペースでILLの社員に宛てて手紙を書いて出せる。
毎日でも、一週間に一度でも、ひと月に一度でもよく、内容が架空であっても、ペンネームでも可。
ただし、姓と住所は本物を明記しなければならない。
そんな会社を、とても魅力的な社長が、運営している。

面白そうな会社である。

手紙といえば、
小川糸さんの「ツバキ文具店」も、手紙を書くことを仕事としている。
この本にも、とても惹かれたのを思い出す。
読後に、「は~~~~~。」と大きな声が出たのを覚えている。
そうそう。
この読後感が欲しかってんねんなあ。
そんな気分になったんやった。


どうやら、私は手紙が好きである。
時々ではあるが、手紙を書く。

友人に宛てたり、
お世話になった人に宛てたり、
あまり面識はない人に宛てたり、
さまざまである。

残念ながら、手が薬の関係などで思うように動かないので、
ほぼPCを使って書いている。
これが、自筆だったら、もっと思いを伝えられそうにも思うのに。

「ごめんなあ。ほんまは、手書きがいいんやけど、手がちょっと動きにくいねん。愛想なしの、コピー用箋でこれまた申し訳ないわ。」

と、友人には言い訳を伝えてある。


もちろん、この言い訳は本当のことである。

でも、実は、もう一つ理由がある。
手書きでは、私の書きたい思いが、追いつかないのだ。
とにかく溢れてくるものを文字にしていく。
文法なんか、くそくらえ。
心に浮かぶがままに、文字にしていく。
あれ?
整合性がとれてないか?
時系列がむちゃくちゃか?
言い回しが変か?

そんなことは多々あれど、でも、とにかく文字にしていく。

そして、最後に、声に出して、読み直す。
読み直しながら、相手に伝わるように整えていく。

この声を出して読むときが、かなり好きである。

書く側と、もらう側との、両方を経験できる気がするから。

そして、最後には必ず
「よっしゃ。」
とつぶやく。

「よっしゃ。」と言えるような、納得できる文面だからではない。
中途半端でもなんでも、ここでいったん切り上げるわなと、自分で自分に言い聞かせるための「よっしゃ。」なのである。


生活の中でも、何回もこの「よっしゃ。」は必要になる。
これでいいんやろか。
わからへん。
でも、なんとかせなあかんし。
そんな時に、もうとりあえず、「よっしゃ。」とやるわけだ。

あかんかったら、またやり直したらええんやし。
今のわたしには、もうこれが精いっぱい。
しゃあない しゃあない。

そんな時に「よっしゃ。」の登場である。

手紙を書いていると、この「よっしゃ。」の力の大きさを、あらためて感じる。


それにしても、郵便料金が値上げになるらしい。
やむをえないんやろうなあとは思うものの、ますます手紙離れがすすむのではという寂しさがある。

いや、しかし。
かえって、私のようなへんこものの手紙好きが、クローズアップされてくるかもしれへんなあ。
どうやろ。
それはそれで面白いかもなあ。

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