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韓国政府|マスク国外へ輸送禁止に 【布マスクを作ったアパレル問屋に悲報】

韓国のマスク事情

韓国のマスク不足は日本より1ヵ月半ほど早めに来たんだけれど、1ヵ月半前の韓国はマスクを巡ってありとあらゆる珍事件が勃発。

中国人が億ウォン単位でマスクを仕入れに来たり、物流ではマスクが入った輸送箱を狙っての盗難事件が起きたり、、、

まるで、黄金を巡って盗み盗まれる海賊漫画のような奇妙な事件が連日起きていた。

1ヵ月半前、韓国の店頭からはマスクが消え、転売など高値で取引されるようになり、韓国政府はマスク転売禁止や値段規制を命じた。急激な感染拡大に伴う見えない恐怖と不安で韓国は一時パニック状態だったけれど、政府からのマスク発注と管理による対策は割と早い段階で行われた。

けれど、数日で国民全員に十分なマスクを提供できないため、韓国政府はマスクの生産スケジュールと販売スケジュールを練り、平日の曜日ごとに買える人を限定させ、少し待っていれば買えるという目に見える形で、国民の漠然とした不安を軽減させる対策が早い段階で行われたのは、昔のMARSの経験が役に立っているようだ。

生まれた年度別でマスクの購入日が決まっている韓国

韓国政府は日毎にマスクを購入できる人を出生年度の下一桁の数字順に振り分け、国民達は自分の購入可能な該当日をサイトやアプリから確認でき、マスクは薬局で買える。

<マスク購入日がわかるアプリのキャプチャー>
2020年4月7日は出生年度の下一桁の2と7の人が買える。
(例えば1982年、1997年、1972年など...)

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徹底した国民ID管理があるからこそ成せる技

韓国は成人すると、10本の指の指紋データーを登録し、写真付きの国民IDカードが発行される。今回、政府が管理しているマスクの購入は薬局で買えるんだが、購入の際にIDを提示し、まずは身分証の顔写真で本人確認をし、購入したマスクは国民ID番号はシステムと連携されているため、例え、同じ人が同日に他の場所でマスクを買う事は不可能になっている。

韓国政府が生産しているマスクは、薬局で買えて、1枚1500ウォン(約150円)にて、該当購入日につき1人当たり2枚まで買える。

平日は該当される人だけが購入できるが、事情により該当日に買えなかった人は土・日に買えるシステムになっており、幸い早い段階でマスクが全国民にムラなく普及されるようになった。

このように生産・販売を国が徹底的に管理することにより、マスク難民は生まれなくなったが、現時点でもマスクが潤沢にあるわけではない模様。

毎日つけるマスク、もはやアクセサリー化

海外からのバイヤー達が激減した韓国の東大門(トンデムン)市場の問屋達は、お洒落な可愛いマスクを生産し卸売をするようになった。中にはフィルターを脱着させられる機能性のあるマスクを作り出した下着メーカーもいるが、ほとんどはコットン素材などのファブリックで作っているため、これらはストールやマフラと同じく、ファッション雑貨区分となる。(本文で話すコットンマスクとは、薬局で見るようなコットンガーゼのマスクとは異なる)

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東大門市場の問屋達が6000問屋以上出店している弊社のBtoBサービスでも、2,3週間前から可愛らしいマスクが徐々に商品登録されているのを見かけるようになった。

それを見た私は、「やっぱ韓国問屋の商人達は仕事が早いね〜!もう出たか。」程度くらいでしか思っていなかった。

韓国政府|マスクの国外輸送を禁止に

うちの会社は韓国の問屋から直接仕入れができるBtoBプラットフォームを運営をしていて、現地の問屋に直接オーダーや仕入れ代行、集荷、検品、出荷代行などを渡韓せずWEBサイトで依頼できる仕入れ支援サービスを運営しているんだけど、

ただですら春・初夏はオーダーが集中する時期なのに、ここ数ヶ月はコロナの影響でイレギュラーな出来事が多く、日本での入国制限措置により、韓国から日本への輸送遅延をなんとか回避させた3月末。

世の情勢とは逆を行く形で、うちは国外に出れない日本ユーザー(バイヤー)達が勢いよく仕入れを行なっているこの頃だが、一昨日 韓国の輸送事業者を通して韓国政府から次のような通知が届いた。

簡単にいうと、
・マスクは韓国国外への持ち出しを禁ずる
・輸送検査の際、マスクは全て没収、処分する

医療用マスクは3月上旬頃から韓国国外への輸送は罰せられると、ニュースで見ていたので、てっきり医療用マスクのことだと思ったが、念の為 次のような問い合わせをしてみた。

・医療用マスクではなく、柄物のコットンなどファブリック製のマスクはファッション雑貨区分で良いか?

何せコットンだし、縫われた形状がマスクなだけでハンカチや靴下と何ら代わりがないと思っていたが、返ってきた回答はNOだった。(そっか。。)

医療用だろうが、ファブリックであろうが、マスクの形状は全て没取し、処分するとのこと。

恐らく、時間と人員問題でマスクの素材云々よりマスクの形は全て没取する方が効率が良いし、素材を限定させると今度はそれらを括り抜けようとするイレギュラー問題が発生するため、マスクの形は全てNGにした方が早いのであろう。今回の禁止令はとても理解できる。

まぁ、ただの布マスクだし、うちの日本ユーザーはそれほど仕入れていないはず?と思っていたら、そうでもなかった。。。既にまあまあ流通されていた。やっぱ商売人は売れるものへの嗅覚が鋭い。

一昨日までは普通に通関され日本に届いているのを確認できたので、まだマスクを没取されたユーザーは確認できていないが、至急、韓国外のユーザーに対し、マスクを仕入れないように呼びかけた本日。

これから初夏になる季節だから恐らくないだろうけど、これが冬ど真ん中だった場合、鼻まで隠れる超ロングタートルネックや幅広めで内側はフィルター式のマフラーなど、秒で発売されていると思う。それが韓国アパレルのスピードだ。

これまで布製のマスクを仕入れてきたうちのユーザーには残念なお知らせであるが、仕方がない。物販とは、常に売れる商品を見つけ続けていくものだから。

この危機を乗り越え人生を楽しもう

リーマンショックという世界的金融危機や3.11などの自然災害などをも乗り越え、これ以上 新しい経験はないであろうと思っていたら、起業人生17年目にして初めて経験する世界的なパンデミック。

人生って面白い。

何歳になっても新しい経験は起きるんだな。としみじみしちゃう。(笑)

これから起こるであろう様々なイレギュラーな場面でも、焦ることなく、彷徨うことなく、公私関わらず私たちは正しいことを選択し続ける必要がある。

どんな状況でも守りに入ることなく、害を及ぼすことなく、自分たちのミッションに向けて努め続けることが、自分自身のためであり、会社のためで、それは国のためであり、世界のために繋がると思うから、私たちは今まで通りの日々を丁寧に過ごし、時よりなイレギュラーな出来事は人生の醍醐味と思い、挑戦する楽しみとして転じることに限る。

明るく、前向きにGO!GO!GO!


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