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神回

この日の主治医との会話はいわゆる神回だった。

何があったかというと、先日上司に診断書を提出したところ、この一年そんなことを求められたことはなかったのに、今回初めて、主治医とのやり取りを簡単に教えて欲しいとの連絡があった。

私はその連絡を受けた瞬間、私は上司から信頼されてないのでは?と、とても嫌な気分になった。メールで連絡の取れるセラピストさんや管理職経験のある友人に相談したところ、主治医に相談した方がいいんじゃない?という話になり、私もそう思ったので、翌日主治医のところに行った。

主治医と話をして「簡単に」と言っているから、こんな感じでいいんじゃない?とアドバイスをもらった内容で返したら、案の定、再度上司から連絡があり「簡単な内容でいいので」と枕詞がありつつ、どんなやりとりがあったか具体的な内容を尋ねるメールが届いた。

ハッキリ言ってイラついたけど、ここでまた感情的なメールを返してはいけないと思い、また私は翌日主治医のところへ。

主治医に上司からもらったメールを見せて「この間先生と話した通り、メールを返したら、やっぱりまた上司から、メールが来たんで相談に来ました。」と伝えた。

すると主治医は、メールに書いてある内容をそのまま受け取って(メールに「簡単に」と書いてあったので、主治医が考える「簡単な」レベルで)アドバイスをくれた。

これまでの上司とのやりとりから、主治医のアドバイスのレベルだと、たぶんまた質問が来そうだと思ったので、私が半ば苛立ちながら「私、上司に信用されてないのかなって思うんです。何聞かれても嫌な気分になるので、信頼関係ができてないのかなって思うんです。メールに『簡単に』って書いてありますけど、決して『簡単に』じゃないんです。結局仕事と一緒で事細かに一問一答みたいのを求めてくるんです。もう、やり取りすればするほど嫌になります。」と言うと、

主治医が「あいうえおさん、あなたは休みたくて休んでるのよね?それって信頼関係以前の問題じゃないの?上司だったら、部下が一年近く休んでいたら、主治医とどんなやり取りがされているか知りたいと思うことは自然なことじゃない?」とやんわりと言った。

私は気まずそうに「は…い。」と答える。すると主治医はさらに続ける。

「私たちは、いろいろな人を見ているから、人によってはこういう時間が必要な場合もあるからわかるけど、人によってはわからない人もいる。そのためには、やらなければいけないこともある。私たちだって、手続きの関係で役所に色々聞かれたり、出さなきゃいけない書類もあるもの。」と言った。

この時、私は心の底から「そうだよな。」と思った。

主治医は決して、私に働けと言っている訳ではなく、責めている訳でもない。乱暴な言い方をしようと思えばいくらでもできるこの内容、私が自分を責めることなく、自分で気づき、行動しようと思える伝え方。本当にすごいと思った。そして診察を終えた。

今回は間に主治医が入ってくれたから、こうやって私も腹落ちできたけど、仕事をしたらこの作業を自分でやらなければならない。例えば「このやり取りを書かなきゃいけない理由はなんですか?」と言おうものなら、あくまでも過去の経験からの推測だけど「上司の命令」「なんでってそんなの決まってるじゃん」とか相手の常識で当然と主張されるだろう。あーあ、これが苦痛なんだよな。

すると私の頭の中では「私は信用されてない」という解釈が始まってしまう。それがネガティブループとなり、自分を責めることが始まってしまう。

この脳の仕組みを上司に理解してもらいたいけど、話したところで、上司の脳の反応は全然違うから理解してもらえないだろうな…。など考えてしまった。

それでもまだ、上司にすぐメールを返す気にはなれなかった。なぜなら、メールの返信が怖かったから。私が主治医のところに行ったのは、金曜日の夕方だったので、この後頑張ってメールしたところで、今日のものにはならないなと思い、上司には急ぐものだけ連絡し、求められていたものについては「出来次第お送りします。」とだけ触れた。

そして週が明け、自分の気持ちを整え、ポジティブな気持ちでいられる環境で(お天気の良い公園に来て)メールを返し、完了した。上司が求めてると思われる内容で、私は返した。

やるべきことが完了したので、落ち着いた気持ちで頭の中を整理しながら、このnoteを書いている。

昨夜、noteを先に書こうとしたら、職場へのメールを返せてないことが嫌になり、思考がぐるぐるしそうだったので、すぐやめた。

記事を書き、アップまで寝かせてるうちに、上司から「詳細までありがとうございます。」と返信が来ており、やっと完了した。ひとまずホッとした。

あーあ、復帰したらこれがまた日常になると思ったらうんざりだな、と思ったが、まずは良かった。

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