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反撃力|接客業での底力|PRESIDENT-SHIPS

接客業はとても難しい仕事です。丁寧にお客様に喜んでもらえるよう精一杯頑張っても、理不尽なクレームや高圧的なお客様に出会うことも。接客業のリーダーの資質として必要な反撃力とは。

★PRESIDENT-SHIPSとは
佰食屋の中村朱美が勝手に作った概念「8つの社長力」のこと。
分解力|サイコ力|反撃力|逆張り力|敗北力|ボタン力|主役力|置換力

■接客業とは

接客業には様々な仕事があります。

飲食店スタッフ
ショップスタッフ
スーパーやコンビニスタッフ
アミューズメント・観光施設スタッフ
ホテル・旅館スタッフ
美容室・エステサロンスタッフ
企業・施設の受付スタッフ
ブライダル・セレモニースタッフ など

接客業の最も大きなやりがいや魅力は、人の役に立ったり、人を喜ばせたりできるという点です。お客様から直接「ありがとう」と感謝の言葉をもらえることは、接客業ならではの魅力でしょう。

多くの方がアルバイトや正社員として接客業を経験したことがあると思いますが、接客業に向いている人の特徴って、どんな人だと感じましたか?

人と関わること、人を喜ばせることが好きな人
話好きで聞き上手な人
相手の立場に立って行動できる人

こんなイメージでしょうか。就職活動の面接でも、「人と関わることが好きです!」と自己PRをされる方も多いかもしれません。

しかし一方で、実際の接客の現場に出てみると、想像以上に厳しい現実が待っています。


■好きだけでは乗り越えられないこともある

殆どのお客様はとても優しくて素敵な方ばかりです。しかし、中にはそうではないケースに出くわすこともあります。

<佰食屋で実際にあったこと①>
5000円札で支払ってお釣りをもらったお客様が、
「私は1万円札を出したはずだ!!!あと5000円お釣りを返せ!!」
と仰った。確かに5000円だったはずだけれど、お札をレジの中に入れてしまったので証明できない。

<佰食屋で実際にあったこと②>
テイクアウトのご予約を承り、指定のお時間にステーキ丼を作っていた。しかし、時間が過ぎても一向に来店されない。電話番号にかけても出ないし留守電にもならない。結局来店されなかった。

細かい理不尽なことはもっと沢山ありますが、上記2つだけでも胃が痛くなるようなケースですよね。接客業は楽しいばかりではないし、理不尽に打ち勝つ力も必要になってきます。


■反撃力

決してお客様を打ち負かそうとするわけではありません。しかし、理不尽なクレームに泣き寝入りするのは違うと思うのです。商品やサービス、接客を通じて、正当な対価を頂くという接客業は、きっと従業員もお客様もどちらが偉いというわけでは無く、対等なはずだからです。

出来ることならお客様の気分を害することなく、うまくかわせたり反撃できたりするとより良いのも分かっています。ですから、私たち佰食屋では、従業員の誰もが対応できるひそかな反撃力を事前に準備しているのです。


① 「私は1万円札を出したはずだ!!!あと5000円お釣りを返せ!!」

→この場合は、証拠があればトラブルになりません。そのため、佰食屋の全スタッフは、レジ研修の際に「お預かりしたお金は、お釣りをお返しして、お客様が立ち去るまでレジになおさない」というルールを徹底しています。お釣りをお返しする際も、必ず声に出してお客様と一緒に釣銭を数えながらお返しします。

この対応策によって、上記のような理不尽な要求は全くなくなりました。新しいスタッフ研修の際にも、昔にあったケースを例に話しながら、「このルールは自分守るためにも、必ず守りましょう」と伝えます。


②テイクアウトのご予約があったのに、結局来店されなかった。

→この場合は、お客様によって対応が変わってくるため、全従業員が確認できるフローチャートを作成しています。

お電話をしたとき、電話に出るのか?出ないのか?
電話に出ても、お金を支払う意思があるのか?ないのか?

こういったお客様の対応によって、最後のお店の対応方法が決定していきます。電話に全く出ない、あるいは、電話に出ても支払う意思が無い場合は、最終的にはお店の近所の交番に行って、警察官の方からお電話していただきます。(過去3回ぐらいお世話になりました)

自分たちで戦おうとするのではなく、冷静に、淡々と、第三者の手を借りて対応する。これこそが、トラブルや理不尽なクレームを大ごとにせず解決できる方法です。

もし例外のようなケースが起こった場合は、リーダーや責任者が判断して対応することとなります。



■接客に向いている人とは

こうやって見てみると、決して現場のスタッフは、理不尽なクレームの対応に慣れていたり、戦えたりする能力が必要ではないと思いませんか?

人との会話を楽しむようなサービスでない限り、お客様はそのお店の「商品やサービス」を目的に来店されます。最近であれば、スタッフからのお声がけや会話そのものが苦手なお客様も多いように感じます。

つまり、接客業に求められる能力は、

・適切に商品・サービスを説明できる
・お客様が声をかけやすい
・イライラしない、過度にベタベタしない

このあたりでは無いかと最近感じるのです。

つまり、自らお客様に積極的に喋りに行ったり、コミュニケーション能力が高かったりする必要は無く、自社の商品やサービスへの理解が高く、聞かれれば適切にこたえられ、適切な距離感を保てる人、といったところでしょうか。

佰食屋では、10年前から上記のような接客を目指しており、スタッフはどちらかと言えばコミュニケーション能力にはあまり自信が無かったり、自分から話しかけるのが苦手だったりします。控えめで、黙々と頑張るタイプ。

でも実は、そういった人の方が、安定した接客をしてくれます。話しかけやすいし、丁寧に答えてくれるし、あたたかいけど鬱陶しくない、ちょうどよい距離感。

トラブルへの対応は苦手な人も多いですが、これまでに述べた通り、フローチャートを確認しながら対応を「作業」に落とし込むことで、誰もができるようになるのです。もし大ごとがあった時は私の出番。最後の責任を現場に求めないからこそ、安心してお店を守ってくれるわけです。



■そもそも仕事って面倒くさい

しかし、そうすると接客業のリーダーは大変じゃないか…!と思われるリーダーの皆様。そりゃあ大変です。どでかいクレームの対応や、従業員の大きなミスがあれば、全て対応しないといけません。面倒くさいことも沢山あります。

しかし、大変なことや面倒くさいことと向き合い対応し、乗り越えた時に感謝が生まれ、そこに働く楽しみが生まれるものではないでしょうか。

接客業に効率を求めるときは、
きっとその仕事を辞めるときです。

きっと、もうその時は接客業の仕事を好きではなくなっているのでしょう。そうであれば、株やFXでもして人と関わらずに稼いでもいいのだと思います。

人と関わって仕事をするということは、人を大切にし、守り、あたたかく見守ることでもあります。私は、そんな接客業が、大好きです。





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でした!



株式会社minitts
代表取締役 中村朱美



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