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僕らが挑む液体燃料エンジンって?

今回は、僕らが開発中の液体燃料エンジンについてお話しします。

そもそも、ロケットエンジンってどんなのがあるの?って方むけにロケットエンジンの種類について軽く説明します。

ロケットエンジンは、大きく分けて液体燃料エンジン、固体燃料エンジン、ハイブリットエンジンの3種類あります。それぞれを簡単に説明していきます。
液体燃料エンジンは、日本のH2A、H2Bロケットや最近ニュースで話題となったSpaceX社が開発を行っているFalcon9 などで使用されているロケットエンジンです。その名の通り、液体の燃料と液体の酸化剤を燃焼させ、推力を得るエンジンです。現在、世界各国で打ち上げられているロケットの多くがこの液体燃料エンジンを使用しています。
固体燃料エンジンは、イプシロンロケットなどで使用されているロケットエンジンです。固体の燃料と酸化剤を混ぜてエンジン内に充填し、燃焼させ、推力を得るエンジンです。
ハイブリットエンジンは、固体の燃料と液体の酸化剤を使用したエンジンで、液体燃料エンジンと固体燃料エンジンのハイブリットであることから、ハイブリットエンジンと呼ばれています。あまり馴染みがないと思いますが、安全面において他の2種類のエンジンよりも優れているため、主に日本の学生ロケットなどでは主流のエンジンとなっています。

さて、ここからは僕たち開発する「液体燃料ロケット」について詳しくお話ししていきたいと思います。

液体燃料エンジンには、他のエンジンと比べどんな特徴があるのでしょうか?

まず1つは、比推力が高いことが大きな特徴としてあります。比推力って?っと思う方も多いかと思いますが、簡単に説明するとエンジンの燃費のことです。つまり、液体エンジンは、他のエンジンに比べ、燃費が非常に良いのです。車でも燃費が良い車の方が嬉しいですよね。それと同じで、ロケットも燃費がいいとその分安く打上げが可能となるので、より好まれます。
また、2つ目の特徴として、エンジンの始動、停止、加速などができるという特徴があります。より正確にロケットを制御できるということですね。車などでは加速や減速、始動や停止が当たり前のようにできますが、固体エンジンや一部のハイブリットエンジンとなると一度エンジンを始動するとなかなか止められないのです。想像してみてください。エンジンをなかなか止められない車があるとするととても恐ろしいですよね。

ここまでの特徴だと液体燃料エンジンってめっちゃ優れてるって感じると思いますが、液体燃料エンジンには厄介な点も多く存在します。

厄介な点その1は、構造が複雑であることです。エンジンを細かく制御できる一方、それには非常に複雑な装置が必要となってしまいます。
さらに厄介な点その2としては、燃料や酸化剤の扱いが非常に難しいことです。種類によっては、毒性が強いもの、極低温でしか液体として存在しないものなど非常に危険なものも存在します。そのため、これらを扱うための装置もさらに複雑化してしまいます。

つまり、液体燃料エンジンについてざっくりまとめると、めちゃめちゃ燃費いいしできることが多いけど、非常に危険でかつ複雑な構造となってしまうということです。
そのため、開発には非常に多くのお金や時間がかかり、さらに膨大な知識が必要なため、容易に開発を行うことはできないのです。

ここまで液体燃料エンジンについて説明してきました。

最後に、

 「僕たちは、なぜそんな液体燃料エンジンに挑むのか。」

それは、多くの人によりロケットをより宇宙を身近に感じて欲しいからです。

優れたエンジンであることは分かっていながらも「僕なんか、私なんかにはできないから」と諦める若者に対し、僕たちが道しるべとなるのです。

「彼らでもできた。そのなら僕たち私たちにもできるんじゃないか。」

そう思い大きな困難に立ち向かう若者が多く現れ、飛躍的な進歩を遂げた世界を想像してみてください。

きっと素晴らしい世界が広がっていると思います。

大きな困難に立ち向かう僕たちの「物語」をこれからも発信していきますので、今後も乞うご期待!


共同代表
エンジン・燃焼室開発担当
門間 彩介(Sasuke Kadoma)




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