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錆びた記憶(2022.11.17の日記)

 今朝も出勤前に車内で寝てしまい、目覚めたらぎりぎりの時間だった。焦りながら出社。どうも本当に糖質制限のせいらしい。そのくせ減量はこのところ停滞中だ。余分なエネルギーを溜め込んで太ったくせに供給を減らすと眠くなるとか、全体ふざけている。

 ECサイトでの購入者から、昨夜の内にクレームが来ていた。注文したのと違う商品が届いた、早くほしいから早く連絡をくれと言われている。
 ところが間の悪いことに、本来送るはずの商品は3日前に完売しており、再入荷の予定がない。つまり、こちらのミスが原因でイラつきながら一晩待っている人物に「商品はもうないから返金しますよ」と説明しなければならないわけだ。朝からなかなか気分の重い作業だった。

 いつのまにかただの営業マンの扱いになっていて、「もっと外回りもしないと、人糞だぞ」みたいな空気をイゴールさんから感じる。
 人糞は嫌なので、今日は外回りに見せかけてフードコートでPOPデータを作ることにした。店回りをするにしても手ぶらでは行きづらい。明日は、新しいPOPを取り付けに来たという口実で普通に店を回る。

 外での作業はよけいな営業電話や社長の呼び出しを回避できるから集中しやすい。

 移動中、大きな跨線橋の上で小さい男の子が母親と手をつないで線路を眺めているのに出くわした。
 橋の下には随分たくさんの線路が敷いてある。線路自体は銀色だが周りの地面は錆色だ。これが彼の原風景になるのだろうと思ったら、シンパシーが湧いてきた。

 自分の原風景は錆色の巨大な製鉄所だ。今でも郷里に帰ると見に行っている。残念ながら2023年9月で閉鎖されることになっている。
 錆びた色にはなんだか忌まわしいイメージがある。父母と眺めた記憶が錆びている。

 POPはわりといい感じにできた。
 退社後、古い街を散歩して帰る。

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