見出し画像

遺伝(2023/12/28)

 今日から休みなので、朝は遅めに起床した。
 朝食の後、うさぎのケージを掃除するうちに、妻と娘が中学の制服の採寸に行った。もう中学生になるのだと思ったら、くだらない口答えばかりしてくるのも得心がいく。

 洗濯機が止まるのを待つ間、日なたで珈琲を飲みながら、内田百閒全集の第六巻を読んだ。百閒先生──敢えて先生と呼びたい──の随筆は、当時の人々の交流がありありと浮かんでくる。こんな文章を書きたいと思う。

 本を読んでいる間、うさぎはベランダで丸くなっていた。こいつは、じっとしている時は伸びるか丸くなるかのどちらかである。

 じきに妻子が戻って、制服の話を始めた。サイズが微妙で、ちょっとだけ大きめのサイズにするか、普通に大きいサイズにするか、どっちがいいかと妻が問うて来たから、大きい方でいいだろうと答えたら、あなたがそんなに大きくないから迷うのだと云う。
 大きい方の上着はコートのように大きくて、中3まであんまり背が伸びなかった場合はずっとぶかぶかのまま着ていなければならない。それでは何だか可哀想だということだった。

 自分は小中高と並び順は割と後ろの方だったのだけれど、いつの頃からか世の中では背が低い人に分類されるようになっていた。
 気付いた時には何だか驚いた。近頃はさすがに慣れたのでもう驚かない。
 なお、娘は自分の方の血を強く受け継いでいるので、妻が危惧する気持ちもわからなくはない。

この記事が参加している募集

#3行日記

44,426件

よかったらコーヒーを奢ってください。ブレンドでいいです。