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喜び(2022.11.15の日記)

 出社前、車を駐めて怪談を聴きながら一休みしていたら、いつの間にかがっつり眠っていた。乗っている車で雨漏りしだしたのが気になって前の車に追突しかける夢を見た。目覚めても気分が悪かった。

 昨日やる予定だった事務作業を片付けていると、開発部のグスタフ氏が申し訳なさそうにやってきた。彼はいつも申し訳なさそうで弱々しい。

「百さん、昨日社長が開発部の部屋にいらっしゃいまして…」
「ほぉ?」
「『○○書が承認されてない案件は一切やるな』と言われたんですよ」
「うん」
「だから今進めてる百さんの案件も、○○書を早く出してください」

 ○○書とは新商品立ち上げの正式なスタートになる書類である。先日それをちくしょー太郎が作成・提出したが、不備があって社長が難癖をつけようと息巻いていたのを、自分が抑えた。

 きっとあれが面白くなくて、腹いせにちくしょー案件を却下するつもりだろう。
 わざわざグスタフらにこんな前ふりをしたのは、「こんな面白いことを思いついた俺」が嬉しくてしようがないものと思われる。いかにも彼らしい。

「出すには出すが、そんなのはきっと現場を知らない人が思い付きで言ってるだけさ。いちいち真に受けていたら仕事にならんだろう?」
「はぁ、そうなんですけど、一つ早めにお願いします」
「わかった。安心していたまえ」

 明日にはちくしょー案件の◯◯書が社長のところへ回る。彼はきっと難癖をつけて却下とか言い出すが、実際に却下するほどの問題はなくて結局渋々承認すると予測している。
 そういうのが自身をどんどん安っぽくしていることに気付いていない。

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