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百卑呂シ言行録

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日常を切り出して再構築したもの。
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2023年12月の記事一覧

強行、賀状、古文書(2023/12/30)

 午前2時半に起床し、3時に広島へ向かって出発した。  休憩を少なめにしたせいかどうかは知らないが、一度も渋滞に遭わないで午前10時に実家へ到着した。いつもは昼過ぎに着くから、随分短縮できたと感心した。  実家には甥と姪が泊まりに来ていて、娘を早く従兄妹に会わせてやろうと頑張ったのだけれど、肝心の子供らは久し振りすぎるものだから恥ずかしがってあんまり話さなかった。 ※  例年帰省してから年賀状を急いで書いているが、今年は帰省する前にまとめて書いた。年々届く枚数が減ってきた

遺伝(2023/12/28)

 今日から休みなので、朝は遅めに起床した。  朝食の後、うさぎのケージを掃除するうちに、妻と娘が中学の制服の採寸に行った。もう中学生になるのだと思ったら、くだらない口答えばかりしてくるのも得心がいく。  洗濯機が止まるのを待つ間、日なたで珈琲を飲みながら、内田百閒全集の第六巻を読んだ。百閒先生──敢えて先生と呼びたい──の随筆は、当時の人々の交流がありありと浮かんでくる。こんな文章を書きたいと思う。  本を読んでいる間、うさぎはベランダで丸くなっていた。こいつは、じっとし

浄化された過去(2023/12/24)

 正午過ぎに娘の塾が終わるから、頃合いを見て車で迎えに行った。  あの塾の駐車場は面している道が狭くて、他の車が停まっていると随分入れにくい。それで少し早めに行った。  幸いまだ誰もいなかったから、一番停めやすい場所に入って待機していると、じきに右隣へ一台入った。大きな車だったけれど、難なく入ってやっぱり待機している。  続いてもう一台、輸入車の大きいのがやって来て左隣へ入ろうとし始めた。  左隣は駐車場の端で、ガードレールがあるから停めにくい。こんな大きな車では尚更難しいに

失望と驚愕(2023/12/21)

 先日、総務のフグ田さんがメールで、嫌いな食べ物を問い合わせてきた。  こちらは妻子のある身だし、弁当などを作ってこられても困るなぁと思ったら、某日に会社が弁当を出すからみんなに訊いているのだと云う。それでひとまず安心した。  ゲテモノ以外は大概食えるけれど、納豆はできるだけ食いたくないと答えておいたら、「それなら大丈夫です」と返ってきた。  それにしても会社が弁当をくれるとは突然だ。日頃のコミュニケーション不足を改善するために昼食会でもやるのかと訊いたら、違う、ただ弁当を

図書館、音(2023/12/16)

 休みの日に会社の仕事をやるのも大概にしておこうと思って、今日は一月ぶりに娘と図書館へ行った。  前回、内田百閒全集の六巻を借りて半分までしか読めずに返してしまったのを、もう一度借りるつもりで持って行くと、あいにくカウンターが全部塞がっていた。  自分が並んだすぐ前には品のある感じのお婆さんがいて、「これと、これと、ちょっと待ってね」と言いながら、返す本を鞄から次々出して重ねている。  全体何冊持って来たか知らないが、あれでは随分重かったろうと思っていると、お婆さんは本を出

モクモクファームは有名(2023/12/08)

 仕事の都合で遠方へ直行した。  近頃は社内にいるのが気詰まりでいけないから、何だかんだと理由をつけて外出することが多い。  今日のも半分遊びみたいな用件だったから随分気楽に構えていたら、高速道路の渋滞に巻き込まれ、遅れやしないかと少しひやひやした。  結局、ある程度の余裕を持って出発したこともあって、ちょうどいい時間に到着はできたけれど、残念ながら昼飯を食いそびれた。  現地駐在のネルソン氏と落ち合ってから「昼を食いそびれたのだよ」と言ったら、「まだ時間は少しあるのだから

椅子と歴史(2023/12/02)

 朝食後に妻子が出かけたから、洗濯物を干して、うさぎが足元に寄ってくるのを撫でていたら11時になった。今日も持ち帰った仕事をやるつもりでいたけれど、何だかやる気が薄れてしまった。  全体、副業はともかく、本業を持ち帰ってやったって何の手当もつかないのだから、いかにもバカバカしい。会社でやり切れないほどの仕事はそもそもできないのである。  と云ってやらないわけにいかないから、最低限のことだけやって終わりにした。 ※  先日イゴールさんが退職した。  地元へ帰るところを見送っ