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【話のたね】“笑い”はストレスを解消する? キリンHDと吉本興業らが検証

 飲料大手のキリンホールディングス(HD)はこのほど吉本興業や浜松市、近畿大医学部と共同で、“笑い”は集中力の向上やストレスを抑える効果があるとの研究成果をまとめた。産官学が協力してこうしたテーマの検証を試みたのは日本で初めて。キリンHDは「今後、新たな商品やサービスの開発に役立てたい」と意欲を燃やしている。

 「笑う門には福来る」と言われるように、古くから“ユーモア”や“笑い”は脳や心に良い影響をもたらすと考えられている。しかし、科学的な検証は十分にされていなかった。 そこでキリンHDと吉本興業、浜松市、近畿大学の4者は連携し、 “笑い”が脳や心の健康にどのような効果をもたらすのか検証することにした。

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 今回の研究は浜松市在住の40歳~65歳の男女25人に、吉本興業に所属する漫才コンビの動画(笑い動画)と笑いとは別ジャンルの動画(対照動画)を見てもらい、鑑賞した後の計算の早さや記憶力などを比べる試験を行った。漫才(笑い動画)を見た後の方が、集中力を必要とする課題の回答速度が改善したほか、前頭葉で脳へ酸素や糖を送る脳血流量が約2.7倍増加したという。さらに、リラックスした際に働く副交感神経活動が上昇し、心理的ストレスのバロメーターとされる唾液中のα-アミラーゼ活性の増加が約5分の1に抑制された。キリンHDらは“笑い”が脳血流の増加を促し、 集中力を向上させることや、 ストレス反応を改善することを確認したとしている。

 研究成果は10月末に開催された「日本ストレス学会」や11月中旬に開催された「日本健康心理学会」で発表された。



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