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【立ち食いそば紀行】浅草ディープな昔ながらの立ち食いそば「文殊」(浅草)

選挙に行ってきました。外に出る理由があるときにまとめて用事を済ませようと思って、先延ばしにしていたクリーニングを出したりしていたら、ものの10分程度で汗でびっしょり。外は30度超え。もうすっかり夏ですね。

わたしのLINE友だち、環境省も今日は厳重警戒と言っていました

それはそうと、昨日の晩から無性にそばが食べたくてウズウズしていました。せっかく外に出るんだし、タダで帰るわけにはいきませんから。そばをズズッとすする自分を想像しながら、明日行く立ち食いそば屋さんを検索していたわけです。そして見つけたこのお店。案外サクッと決まりました。良き。こういう時間、週末感があって好きです。

朝ごはんは昨晩からセットしておいたドライマンゴーのヨーグルト漬け、通称「お帰りマンゴー」です。最近この呼び名を知ったので使いたかっただけ。

ライフのヨーグルトが好きです

マンゴーがヨーグルトでふやけてプルンとしてて、暑い日の朝ごはんにはぴったり。面倒くさがりの私は、ヨーグルトの容器にドライマンゴーをそのまま入れて冷蔵庫に戻すだけ。簡単。

選挙がメインのはずなのに、完全に立ち食いそばに合わせて行動しています。いいんです、ちゃんと選挙行ったし。クリーニングも出したから。

浅草の松屋のすぐそば、銀座線の地下入り口の階段を降りるとすぐに見えるのが、今日のお目当てのお店「文殊」。この地下街、古くて暗いけど美味しい穴場的なお店もあるので、ディープな浅草を楽しみたい人にはおすすめです。

お昼時だと込み合いそうだからと15時前に到着するように計算して行ったら、私のほかには女性客がひとり。

汗を拭きながら目に入ったのは「岩のりそば・うどん」。ふだんは即決派ですが、今日ばかりは3分ほど悩みました。だって岩のりそばはあったかいのしかないから。そして天ぷらも食べたい。あったかいそばを想像しただけで汗がどばっと出てきた気がしたくらいには蒸し暑い。

ちょっとだけ悩んだ結果、やっぱり「岩のりそば」に決めました。食券を買ったあとに「天ぷらも追加できますか?」と恐る恐る聞いて「なすの天ぷら」も100円追加でつけてもらいました。昨日SNSでなすの料理動画を見ていて、無性に食べたかったから。ほら、野菜も必要じゃない?

「熱いよ」と言いながら渡してくれた大きくて熱い器には、どっさりとそばと岩のり、ねぎ、ゆず、追加で注文したなすの天ぷらが盛り付けられていました。甘そうに見えたおつゆは思いのほか塩気が強めで、身体にじんわりしみわたる感じがいい。

海に浮く海藻のようにフヨフヨと気持ちよさそうにおつゆの海を泳ぐ岩海苔を、れんげとお箸でぐるんと下からかき混ぜてダイブさせる。海苔とゆずがほどよくそばに混ざった具合でフーフーしながらズルズルすすります。

そばに紛れて海苔や、ときどきゆずが登場。ちょっとした宝探しのような気分。そばも、過度に主張しない控えめさ。それぞれがお互いを引き立てあっている感じ。チームワークってこういうことを言うのかもしれない。そばを食べているだけなのに妄想がひろがるのは、きっと暑さのせい。そういうことにしておこう。

海苔のほのかな磯っぽさと、ゆずのふわっとした上品な香りが鼻に抜ける。このゆずがポイントなんだよな、と思いながら、無心でそばをすすり続けます。汗が止まらない。大量の汗で失った塩分を高速で補っている感じ。

ときどきなす天をかじる。おつゆをたっぷり吸ったなす天が、じゅわっと口の中で広がる。油っこさを流し込むように、おつゆをれんげで口に運ぶ。タオルで汗を拭く。その繰り返し。ひとりで来てるからいいやと、半袖をさらに捲り上げて熱々のそばに向き合う。まるで修行のよう。しかしこれは幸せな修行。

そういえば目の前に七味唐辛子が置いてある。その魔法の赤い粉に手を出してはいけないと思いつつ、そっと手を伸ばして振りかける。やっぱりだ。味が締まる。うまい。もう中盤なのに、むしろ食べるスピードが上がった気さえする。これはちょっとしたドーピング。

隣で食べているおじさんも20回くらいフリフリしている。負けてはいられない。挑まれてもいないのに、こっちも負けじとフリフリする。汗がとまらない。どうせ帰り道にも汗をかくんだから、ここまできたら同じだ。汗腺もびっくりしているだろうが、汗をかくことはいいことなんだしと振り切ってそばをすする。あぁうま…おいしい。

おいしさでつい、おつゆまで飲んでしまった。目の前のカウンターに、ごちそうさまをして器を置く。周りをみたら、順番待ちをしているお客がいた。15時すぎなのに。でもこの美味しさなら頷ける。

サウナは入らないけれど、どっさり汗をかいて、なんかデトックスしたような気分。ととのうってこんな感じなんだろうか。

ごちそうさまでした!


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