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深く聴き込みたい音楽 vol.3

GWを挟み、少なからず耳がリセットされた感覚がある。また、PCを新調したので幾らか制作がしやすくなったことも伴い音楽制作や音楽鑑賞が以前よりも楽しい。それとは別に、自分はグルーヴという概念とアンビエンスという概念、それぞれ一見相反するとも思える概念を並列的に愛好しながら音楽と触れていて、それらを直列的に音楽に落とし込めないものか、と考えていると最近改めて思う。今回のアルバムのチョイスはまさしくそうした展望を反映させたものになっているように感じる。
さて、それでは前回に引き続き淡々と記録していく。

SBTRKT - SBTRKT

Released in 2011
Released from Young
SBTRKTの音は今でも制作中に参照することが多い。ポストダブステップの中にも、ソウルやファンクネス、ガラージの要素が混ざり合い、どこか土臭さやストリートの匂いがする辺りがSBTRKTがSubtract出来ない要素であり、本懐であるようにも思える。
本アルバムにてかなりの頻度で客演しているSamphaのボーカルも素晴らしい。冷たさの中に確かな情熱が漂っている作品は改めて好きだ。

alva noto , Ryuichi Sakamoto - Vrioon

Released in 2002
Released from Noton
2021年にalva notoと坂本龍一のタッグで制作されたMonomomが素晴らしかったことで改めてこのアルバムを聴いたが、素晴らしい。
それと同時に、自分のアンビエントミュージックに対する解釈は一つの面ではかなり確変的なものを保有するとは思いつつも、多様な解釈が出来ている訳ではないことも自覚した。アンビエントを語ることは非常に難しい。その言葉の詰まりにヒントがあるようにも思う。本作はそういった考察的側面を排除しても音の質や作り込みでシンプルにずっと聴き続けたいな、と思わせる強度がある作品であるとも思う。

Warren G - Regulate… G Funk Era

Released in 1994
Released from The Island Def Jam Music Group
昔からG Funkは好きなのだが、G Funkのエッセンスをよりメロウネスに特化した音楽もまたかなり好きである。G Funkに限らずヒップホップのサウンドが好きなポイントとして、ビートを主体としているが故にトラックのメロやコードがあまりにも引き立ちすぎない側面と、ボーカリゼーションがラップの影響下にあるため、抑揚的すぎない側面にある。そういった自分の好みに綺麗にはまる作品として本作は存在する。特に退屈すぎず、抑揚的すぎないNate Doggの歌唱のバランス感は素晴らしい。今も生きていたらTydolla $ignと並ぶ客演の名手として今も活躍していただろうな、と思う。

Boards of Canada - Music Has The Right To Children

Released in 1998
Released from Warp Records
自分が作る音楽はWarp Recordsの影響を確実に何処かに潜ませているので、そういった意味でもWarpには以前より注目しているし、今後も注目していくであることは確実であるが、その中でもBoards of Canadaはどう言うわけかあまり経由してこなかった。それこそ彼らも最近は全然曲を出していないので、そういった影響もあってか2015年以降あたりからエレクトロニックに興味を持ち始めた自分はふわりとスルーし続けていたのかもしれない。ちゃんと聴き込めば強いリファレンスになるであろうことも想定しやすいので、これを機に聴いてみるとする。

The Cinematic Orchestra - Ma Fleur

Released in 2007
Released from Ninja Tune
自分が大好きなバンド、Pay money To my Painのメンバーが結成したバンドPolpoがライブで3曲目のChild Songをカバーしているのを見て以来細々とThe Cinematic Orchestraは好きなのだが、実に細々としている。(今となっては)このアルバムにサウンドとしての刺激を強く感じる訳ではないが、当時どういった側面がかなり評価されたのかを考えながら聴き、自分があまり観察できていない2000年台のエレクトロニックシーンを考察していきたい。ちなみにNinja Tuneは全然追えていない(し、そもそもそこまで好きではない感じもある)。

7 Days Of Funk - 7 Days Of Funk

Released in 2013
Released from Stones Throw Records
Stones Throw、Dam-FunK、Snoop Doggと最高要素が揃った本作。(自分にとってのルーツとしての)ヒップホップ、(ベーシストとしての)ファンク、(DTMを主戦場にして楽曲制作をしていく上での)エレクトロニクスへの自分の関心が一点に凝縮されたような作品で、2015年ごろしょっちゅう聴いていた。先に挙げたWarren Gの作品も含めて思うが、自分はSnoop Doggが大好きなんだな、と再認識した。
同時に、Stone Throw、Anticon、Brainfeederあたりを起点に、レーベルに興味を持ちながら音楽を聴き始めたのもこの頃だったな、と思い返す。今でもこのアルバムを聴くとフレッシュな気持ちになる。

以上。おすすめがあったらコメントやTwitterなどで教えて貰えたら嬉しいです。

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