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「どうしておばあちゃんは○○できないの?」の一歩先で


  こんにちは、ねこ沢です🐱

  みなさん、お元気でしたか? 
ここのところ暑い日が続いていましたが、体調を崩されないようお過ごしくださいね☀️🍹

  ヒヨラーの書いてくれた学校に関する身近な福祉の記事は読んでくれましたか? 
みんちゃんが経験したグレーゾーンの子との幼少期についてのインタビューも掲載されていて、 わたしたちと福祉の関係を捉え直すいい文章になっているのでぜひそちらにも目を通していただけると嬉しいです🐣

  今日はねこ沢の身近にある福祉について取り上げ、そこから私が考えたことや感じたことについてお話していこうと思います。 
私は祖父母の家で子供時代を過ごしてきました。
その間に曽祖母や、祖母と密接に関わってきま した。 
また、近くにはそのほかの家族が住んでいて、その中には発達障がいを持った人がいます。

  今回の投稿では、私の家族との関わりのなかで、高齢者や発達障がいを持つ人にフォーカスしてみようと思います。 個人的な経験談から私たちが暮らしている社会全体の構造にだんだん視点を移していく都合上、今回の記事は前編・後編に分けています。 
前編では高齢者との暮らしについて取り上げてみました。 少し長くなりますがお付き合いいただけると嬉しいです🌷


もくじ
前編 高齢者との暮らし 
 はじめのご挨拶 
 高齢者と暮らす  
 私たちの社会には問題がある?  
 ユニバーサルデザイン

 
高齢者と暮らす  
 私は小さいころから祖母と暮らしていて、中学生になると曽祖母とも同居するようになりました。 
私がまだ幼い頃は、あまり曽祖母に加齢による症状は見られなかったのですが、最近は認知症や身体の不調などさまざまな症状が見られるようになりました。  
 例えば、慣れた道を車を運転していても帰り道がわからなくなって迷ってしまったことや物がなく なった時に家族を疑うようになったことなどがあります。 
また、耳が聞こえにくくなって一度声をかけただけでは伝わらないことや、庭や家の中でつまずきやすくなり、転んで骨折・打撲してしまったことも何度かありました。
 
  一緒に暮らしていた私からすると、心配になることや困ってしまうこともありました。 
もう曽祖母は運転していないのですが、免許返納以前は、ニュースで時折見かける高齢者の自動車事故が現実のものにならないように...!と、とても不安になっていたのを覚えています。

  子供の頃はそうやって不安や不満を感じると、「どうしておばあちゃんは◯◯ができないの?」と考えていました。 しかし今は、「どうして世界にはさまざまな人が暮らしていて、中には不便を感じた人も歴史上たくさんいただろうに、テクノロジーの発達した現代でさえ生活必需品から移動手段、社会制度に至るまで、私たちが生きるのに必要不可欠なものはいわゆる<健常者>に合わせてつくられているの?」と思うようになりました。 
つまり何かが不得意・できない理由を個人だけに求めるのをやめ、社会構造の側にも問題があるのではないかと考え始めたのです。


私たちの社会には問題がある?   
 その理由は、私たちの生活する環境は往々にしてマジョリティ属性を持つ人々によってつくられ てきた歴史があることを大学生活でさまざまな経験を通じて実感したからです。 マジョリティにあたる属性は、男性、健常者、(日本でいえば)日本国籍を有し日本人風の顔立ちの者、大人、シスジェンダー、ヘテロセクシュアルなどが挙げられますが、ここでは特に健常者の視点から社会が作られてきた点に注目したいと思います。

  身近な例で言えば、洋服です👕
近年はダイバーシティ推進により、さまざまな特性に対応した衣類がユニクロなどの大手アパレルブランドからも販売されるようになってきました。(高齢者向けだけでなく、障がい者や持病を抱 えた人向けのブランドも登場しています。) 
しかし、特性に合わせた衣類があっても種類が少ないという問題があります。 
もっと特性に合わせた衣類にもバリエーションがあれば、自力で着替えができるけれど、選択肢が限られているために1人では着替えが「できない」という状況に留められている人がいます。 
他にも、好きなデザインや素材が選びにくいという課題もあります。 
<健常者>は溢れるほどのデザインの中から好きなものを選んでおしゃれができるのに、そうで ない人たち(例えば高齢者や病気を抱える人、障がいを持つ人)には選択肢があまり多いとはいえない状況です。

  そうした社会設計には、マイノリティ属性を持つ人たちの視点が欠けており、彼女たち/かれらは 日常生活の小さな積み重ねの中で、困りごとに遭遇しやすくなっています。 
もちろんそれは衣類に限った話ではなく、制度や街の設計、会社の仕組み、恋愛...などなど私たちの生活に密接に結びついている多くのもの・こと・場所がマジョリティ目線で作られています。


ユニバーサルデザイン  
 先ほどの曽祖母の例でいえば、最近では高齢者の転倒事故から発想を得て、床に強い衝撃が 加わった時にだけ素材が柔らかく変化し、転んでも骨折しにくいつくりの「ころやわ」という床材が生み出されたそうです。 
このような素材を使用すれば、高齢者だけでなく幼児の転倒も軽傷ですむ可能性が高くなりますし、うっかり大事なカップを落とした時に割れずにすむこともあるでしょう。

   もしかしたら「<健常者>がそのほかの人に合わせてあげなきゃいけないの?」と思う人もいるかもしれません。 
しかし合わせるというより、これまで私たちの社会で「当たり前」のように思われてきた物差しの方に不具合があったのだと私は考えています。

  なにより、身の回りの物事をユニバーサルデザインの視点から改めて見ることで、従来の物差しを使い続けていたら思いつかなかったアイデアが生まれ、誰もが今以上に安全で過ごしやすい 社会になります。 
とはいえ、これまで「当たり前」だと思っていた視点を変えていくのはなかなか難しいですよね。 

 発達障がいについて取り上げる次の投稿では、どんなふうに視野を広げていけるのかについても考えてみたいと思います。
さまざまな特性に合わせた衣類や素材の例をTwitterでも紹介しているので、よかったらそちらもチェックしてみてくださいね😸
ではまた来週の投稿にて〜🙌

参考資料
最終閲覧日2022/7/5
Magic Shields公式サイト(ころやわ)

最終閲覧日2022/7/5
ユニクロ公式オンラインストア 前開きインナー特集

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