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Withコロナはデジタルトランスフォーメーション(DX:Digital transformation)を加速するか

DX(デジタルトランスフォーメーション/Digital transformation)は2000年初めに登場したワードですが、日本では2018年頃から経済産業省が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変することと定義、ITの2025年の崖への対応として使われている言葉です。

経済産業省 DXレポート
https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010-1.pdf

経済産業省 DX 推進ガイドライン
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf

コロナにより既存ビジネスの見直しが必要になり、2025年を待たずしてDXの出番がやって来ました。しかし慌てて対応を迫られることになったとして、多くの企業はWebもEC販売もSNSも、全く行ってない/出来ないというわけではない状態にあり、ここからDXに持って行くには、どうしたら、誰が何をやって、誰に何を頼めばという状態かなと思います。

レガシーシステム/技術的負債を一掃せよ、という言葉が並びますが、システムを新しくするだけでは、新たなビジネスモデルの創出にならないのは明らか。

しかしDXは進むと考えます。なぜならWithコロナの中、Withコロナに対応したビジネスモデルを生み出し企業が生き残るには、多くの場合デジタル技術の利用したビジネスモデルの創出が不可欠であり、それがまさにDXだからです。

では、DXをどう進めるのか整理してみると、まず企業の立ち位置に4つの期があります。

1.オフラインデータ期
2.未整備データ期
3.分析期
4.戦略実行-DX

1(オフラインデータ期)は、企業の運営がデータ化されてない状態です。重要な業務が担当の経験と勘だけで決定している、個人個人のパソコンに入っている表や文書で業務が遂行されている状態です。ここではともかくデータ化、システム化をしないと始まりません。すべてが1であるという企業より、基本システム化されているが、いくつかの業務が1の状態というケースが多いと思います。

2(未整備データ期)は業務はシステム化されていて、データはあるが、システムごとに閉じていて、全体を見渡せない状態です。例えばお客様のお問い合わせはデータベース化されている、お客様の注文は商品カテゴリ、販売チャネルごとにデータ化されている、それぞれ別々に動いていて、あるお客様ひとりに絞ると、どんな問合せをしてどんな注文をしているのかわからないというような状態です。

3(分析期)はシステムやデータは統合されていていて、分析を行うことができる状態です。しかしデータが統合されたからと言って、新たなビジネスモデルが生み出される訳ではありません。

3(分析期)のデータを使って戦略を決定したあとで、初めて4の戦略実行となり、それが上手く行けばDXの実現となるのです。

1~4は、卵と幼虫と蛹と蝶ぐらい違います。なのでそれぞれでやる作業も担当する人も必要な技術技能も異なります。
そして1~3がクリアされないと4に進むことが出来ません。1~4は、どれも実際には大きな労力がかかります。卵が沢山見つかるかも、いろんな幼虫がいる場所が発見されるかも、それは凄い蝶かも。卵、幼虫、蛹の状態で蝶の誕生=DXの実現を見据え、必要なことに絞って通しで実施することが重要です。

DXは進むでしょう。なぜならWithコロナの中、Withコロナに対応したビジネスモデルを生み出し企業が生き残るには、多くの場合デジタル技術の利用したビジネスモデルの創出が不可欠であり、それがまさにDXだからです。

コロナは業績から業務形態まで様々な常識を覆しましたが、今までなかったITを活用した新しい取り組みも色々と発生しています。コロナによって、とにかくやってみよう、とにかくやらなくては、で何かを始めた企業も多いのでは。卵や幼虫を蛹の調査に時間をかけず、目のまえにある卵や幼虫や蛹でなんとかしている、そこから、このとにかくで始まった新しい取り組みを大きな結果を残せる形に。これがDXの実現への今までの課題である技術的負債が大きく先に進まない、の斬新な解決方法となっています。とにかくやってみよう/やらなくてはで見えたサービス成功の可能性に、データドリブンであることと効果的なデータ活用をもう一息持っていく方向に向けられれば、DXに乗せるストーリーが出来ると考えます。



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