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30代公務員が転職本を読んで考えたこと

最近読んだキャリアに関する本をまとめて紹介する記事の3回目。
前回は、元リクルートで、その後民間初の公教育機関の校長となり、現在も教育現場の改革を進めている、藤原和博さんが書いたキャリア本本の紹介でした。
今回は、ずばり「転職」にフォーカスした3冊を一気にご紹介しながら、30代地方公務員という僕自身のキャリアに当てはめた感想を書いてみたいと思います。

得意なこと、好きなことからキャリアを考える一冊

これはamazonの購読履歴からオススメされた本で、kindle unlimitedで無料で読めたので読んでみました。自己分析と会社分析の二本立てになっていて、キャリアや転職について何から考えたらいいか分からない、という人にとっての導入本としてサクッと読めます。

著者の矢部秀明さんは、ITエンジニアとして働きながら、株式会社エンベックスエデュケーションにて、Java講師としてIT企業10社を担当。その後、プログラミングスクール「テックキャンプ」を運営する(株)divにて企画開発リーダーを務め、one-Record株式会社を創業。新規事業開発を中心に、Webエンジニア、マーケティングと幅広く活躍されています。

本書の自分なりのポイント
・焦って自己分析の前に仕事を探してはいけない
・好きなことから仕事を探してはいけない
・弱みばかりに目を向けてはいけない
・働くモチベーション、目的となるミッションを設定する

ステップ
(1)自分を知る
 ①ミッションを見つける(2軸でミッションを見つける)
 ②強みを見つける(強み分析シート)
 ③好きを見つける(仕事にするには、どの部分が具体的に好きなのかまで考える)
(2)仕事を知る
 ①ミッションの実現方法を考える(仮説を立てる、実践者に聞く、本を読む、サービスを探す。その上で、企業に入るか、自分で起業するか考える)
 ②職種を考える(強み×好きで考える)
 ③職場を探す(強みを活かせるかで考える)

個人的には、自分の「得意なこと」「好きなこと」から自己分析を進めて行くアプローチは共感することが多かったです。
一方で、会社の分析についてはあまり深く書かれていません。その部分を補ってくれるのが次から紹介する2冊です。

ポジショニングでキャリア考える一冊

企業や業界の表面的な情報よりも、仕事選びの基準を持つことの大切さが紹介されている本です。ビジネス小説のような書かれ方で、主人公が今いる会社から新たなキャリアを獲得していく過程が、物語のようなかたちで読むことができます。

著者の北野唯我さんは、博報堂→ボストンコンサルティンググループを経て、2016年、ワンキャリアに参画し、現在は取締役として人事領域・戦略領域・広報クリエイティブ領域を統括している方。
僕はNewsPicksの対談番組がきっかけで知りました。

本書の自分なりのポイント
・転職情報ではなく、会社を選ぶ判断基準(転職の思考法)を持つことが大事。
・自らが稼ぐ力を身に付けることが大事。上司や組織に左右されないキャリアパスを持つ。
・そのために必要なのは、自分のマーケットバリューを高める、自分に合った緊張と緩和のバランスを見つける、得意なことから好きなことを掘り下げていくこと。
・これまでのキャリアを基に、軸足を移し、時代の波に乗った業界を選べば一生食べていける。
・希少性を高めるために、個人としてのラベルを持つ(ニッチな領域でもいい)

ステップ
(1)自分のキャリアを考える(何をやらないか、どこで働くか、誰と働くか)
(2)自分のマーケットバリューを理解する(技術的資産、人的資産、産業の生産性)
(3)パートナーを説得する
(4)企業を探す(いくつかの方法を並走させる。一つに偏った探し方はダメ)
(5)企業を選ぶ(活躍の可能性がキーワード)

全体像と具体的な数値から会社を探す一冊

この本はkindleでは販売されておらず、というか販売できないであろう、超分厚い本です。企業の公開情報や、著者の渡邉さんがこれまでのキャリアをとおして取材した様々な業界業種の人へのインタビューから、様々な切り口で、「自分に合ったいい会社」を探すヒントを与えてくれます。

著者の邉正裕さんは、日本経済新聞記者→現IBMでコンサルタントとして活躍、現在はMyNewsJapan代表取締役兼編集長です。

本書の自分なりのポイント
・いい会社は、人によって、その人のフェーズによって違う
・どの視点を重視するか、自分で決めなくてはならない
・キャリアは、ファクトに基づいた全体像で選ぶ
・キャリア選びには「仕事」「生活」「対価」の3つの軸に基づく、9つの視点がある

ステップ
(1)就職・転職の「軸と視点」の優先順位を決める
(2)業界と職種のあたりをつける
(3)公開情報の収集
(4)その会社にいるOBOGや現役社員に質問する
(5)仮説・検証を重ね、絞り込んでいく

この枕本の見どころは、3つの軸と9つの視点で切り取った企業や業界をマッピングした図。図でとてもわかりやすく分類されていて、これだけでも買う価値ありです。
さらに、実際に働いた方の発言も交えた各章はとても読みごたえがあり、業界や企業のリアルが伝わってきます。

さて、3冊紹介したところで、まとめとして、これらの本の中で個人的にポイントとなった3つについて、自分に落とし込んで考えてみたいと思います。

転職の軸と視点の優先順位を決めろ

これについては、今の自分なら、「生活」→「仕事」→「対価」の優先順位になると思います。家庭もあって、親も介護が必要な時期が近付いている中で、やはりある程度仕事以外の時間に当てられる時間的な余裕は必要になってくるからです。

「生活」軸の中でも、特に「負荷」「勤務環境」の視点は重視してキャリアを選択したいです。子育てもまだまだ始まったばかり、いつどんな理由で今とは別な場所で暮らすことになるか、わかりません。そんな不確実な将来に備える上でも、リモート環境などに対応できるワークスタイルを身に付けたいと思いました。

「伸びている業界」に身を置け

この本を読むまでは、経験のある業界で働ければいいと安易に思っていたので、この視点は自分にとっては全くの盲点でした。自分の場合はなおさら、行政という、マーケットバリューが低く、汎用性も低い職歴が長いので、業界の波に乗らずにキャリアを高めていくのは、かなり難しいなと思った次第です。

今ならエネルギー、サスティナブルなどの業界、テーマとしてはDXなどは、選ぶ際のリストからは外せないなと思いました。

企業は「活躍の可能性」で選べ

活躍の可能性というのは、本では自分の職種と会社の強みが一致していることが条件だとされています。活躍できるということは実績が上がることであり、実績が上がると周囲の信頼を勝ち取りやすく、人間関係も良くなる。この良いサイクルを、ゼロから作り上げるのではなく、自分の強みをベースに考えれば、より効率的にキャリアを高められるという考えは、即戦力として求められる中途転職では必須の視点だと思いました。

自分でいえば、民間での法人営業や、行政での多様なステークホルダーと連携した事業立案・推進は、得意で好きな働き方だと考えました。このあたりを軸に、活躍の可能性を探ってみたいと思います。


以上、今回は具体的な転職先の探し方に関連した本をご紹介しました。
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次回はいよいよ、今回の連載の最終回として、40歳の壁の本をご紹介します。

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