hydeout.psychology

気ままに小説を書きます/ ドイツから帰国しました/ 写真、音楽、小説が好き/

ばんめしのねこ 1

 男がネットカフェに着いたのは、日が変わるまであと1時間ぐらいの頃であった。 男は覇気のない薄い顔をした茶髪の受付男に空室を確認し、朝7時までの時間で個室に入るこ…

ES 14

 女は薄暗い地下室の、冷たい地面に座り込んでいた。その向かいには、まだ幼い面影を残した少女が立っていた。その場所は、『我々の知る世界』に限りなく近い存在感を持ち…

ES 13

 十六時だった。空がネイビー色をさらに淀ませたような、寒々とした暗い色を見せている中、ミタクエは自転車をこぎ、国道沿いのタバコ屋に向かって移動していた。そしてタ…

ES 12

 ロベルトは左足を前にして足を組み直した。そして椅子を少し手前に引き、やや背筋を伸ばしながら、ミタクエの顔を見た。 「ミタクエ、まず言っておくけど、これは僕の個…

ES 11

「ロベルト。じゃあ、あなたは」  ミタクエ・オヤシンは、何かを言いかけたが、言葉をつぐんだ。彼女の前で、そのロベルトという男は額に幾分シワを寄せて、机の上にのせ…

ES 10

<第二章 小さな町>  ピーター・オヤシンが、件の女児強姦・殺害の容疑で逮捕され、そのことは同日中に町の全ての人間が知るところとなった。というのも、この町は『小…