読書記録「贖罪（しょくざい）」

今日の１冊です。

湊かなえさんの「贖罪」をご紹介します。

１５年前、田舎町で一人の女児が殺害され、その時直前まで一緒にいた４人の女の子たちは犯人と思われる男と言葉をかわしていた。

しかし、女の子たちは顔が思い出せない。

殺害された母親からの「あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら私が納得できる償いをしなさい。」との言葉。

言葉の呪縛を背負いながら成長した４人の少女たちに降りかかる悲劇の連鎖とは！？

・読後の感想

１５年前にある町で起こった殺人事件。

その事件で殺された少女の友達の４人は、殺された少女の母親からの一言によって、大人になっても罪の意識に囚われ続けます。

言葉の重さの恐ろしさがものすごく伝わる作品でした。

母親からしたら許せないことだとは思いますが、母親の言葉は当時の少女たちにとってはあまりにも重い言葉だったに違いありません。

母親の言葉に囚われ続けて大人になっていく過程は読んでいてとてもつらいものがありました。

※贖罪…自分の犯した罪や過失を補うために、善行を積んだり金品を出したりする、といった行動を指す言葉のことです。罪滅ぼしともいいます。

贖罪 (双葉文庫)