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ケージ引きこもり保護猫と過ごした一か月

野良出身、保護されてからは2カ月ほど動物病院で預かられていたもものすけ。「家」での暮らしを知らない彼が、「我が家」に来て一か月が経った。(うちの子になってからではなく、トライアルの初日から一か月。)

我が家は3LDKなのだが、1つは書斎、1つは寝室で、1つは私のアトリエと言う名の物置だった。アトリエはリビングと扉1枚で繋がっていて、場所的に人間との生活に慣れるのにも丁度よさそうだったので、そこをもものすけのお部屋として提供することにした。

ももくんのお部屋だよ

人間と猫との攻防戦

1週間目はまずはリラックスして過ごせるように部屋の扉を閉め、人間が入る時に扉の外から「ももちゃん、入るよ」と声をかけてから開けるようにしていた。最初はドアを開ける度にびっくりされ、シャーシャーされていたが、声をかけると徐々にびっくりしなくなっていった。

扉を1枚隔てて人間が生活している音は聞こえるものの、人間の姿が見える頻度が低いため慣れづらいかなと思い、2週間目くらいからはケージを閉めたまま部屋自体の扉を開け放ってリビングと繋いでみた。ソファ越しに人間がウロウロするのが当たり前になったので、近づいてもびっくりされづらくなった。

3週間目くらいからは外に出る練習をしてほしかったので、ケージの扉を開け、部屋の扉を再び閉めて、アトリエの中で自由に動けるように環境設定した。この辺りで部屋から出てご飯を食べられるようになった。(ただし、一瞬でケージに戻る)

周囲への警戒心ハンパない

気が向いたときにたまにふらっと外に出てくるようになった。壁とケージの隙間に週に1・2回数時間挟まったりするが、それ以外の場所へは長くても30秒くらいしかとどまらない。

壁に挟まってるのかわいすぎ

4週目に入ってからは、基本的に常にケージは開けっ放し。人間がいるときは部屋の扉をあけてリビングと繋ぎ、人間がいない時と夜は部屋の扉は閉めるが、アトリエの中では自由に動けるようにした。丁度一か月経つ頃に、夜は一人大運動会を開催し、床の上で文字通り伸び伸びするようになった。

のびてる

上記のように人間も猫も試行錯誤して、お互いに歩み寄った一か月であった。

もものすけの難しさ

もものすけの難しさは「基本的に人慣れしている」「食やおもちゃへの関心より警戒心が上回る」ところにあった。

うちに来て4日目にはケージの中でへそ天し、なでなでにうっとり目を細めていた。なんなら、今はケージの扉から人間が顔や体を入れ、直接鼻チューしたり、もものすけの体に顔をうずめたりしても怒らないという寛容っぷり。

猫吸いも大丈夫

そこまでベタ慣れなのに、ケージの扉がある2階へは絶対に降りてこない。直前までゴロゴロクルクル言いながら大好き攻撃してくれていても、2階でチュールを差し出した瞬間に興奮が覚めるのだ。ご機嫌に遊んでいるボールが2階に落ちてもとりに行けない。

人がいる時に2階に降りるだけでもそれだけ高いハードルなので、ケージの外なんてもっと難しい。ケージの外に置かれたご飯は1か月経った今も警戒しすぎて、降りてくるのに3時間くらいかかることもある。降りてきても微動しただけでご飯を放り出してケージに戻ってしまう。

基本的に人は好きだが「ケージの外×人間」となるとやはりまだ怖いんだろうな。おそらく、ご飯を食べて油断をしている時に過去に何かされたか、捕獲機で捕まったことがトラウマになっているのかもしれない。

「早く近くで生活したい」という人間の勝手な欲望と、「ケージに行けばべったり触れ合えるし、この状況でも全然よくない?」と思う気持ちの板挟み。ケージをたたむことは、居場所を奪うみたいでなんだか嫌なのだ。

そんなことを思っていたら

保護主さんと動物病院の方には継続的に相談させていただいており、「2ヶ月経っても状況が変わらなければケージを1度撤去してもいいかもしれない」と言っていただいた。シンプルにケージの居心地が良すぎるのかなとも思った。

とりあえず撤去する前に出来ることをと思い、ケージを覆っていたタオルケットをとり、ケージ内の居心地を悪くしてみた。すると!!!

様子を見ている

唐突にケージから出てお気に入りの場所をいくつか見つけてくれた。朝までケージの外にいることも出来るようになった。お気に入りのラインナップは…

・椅子の上(机との間)
・狭い猫用ハウスの中
・ケージと壁の隙間

基本的に人間が手を伸ばしづらいところ、暗いところ、狭いところで、近づくとシャーっとされるので、なかなか野良っぽい。

でも、機嫌のいい時は外で撫でてもゴロンとしたり、手を伸ばして人間にタッチしたりしてくれるようになった。もうケージがなくても怖くないって分かってくれたかな。

来月に向けて

もものすけにも私の焦りが伝わって一進一退した日もあったが、基本的に夫が「まあ、もものペースがあるからなぁ」とのんびり構えてくれてたので、見習おうと思った。

人間のことはとても好きな子なので、引き続きもものペースで、人間とゆるっと共存していってくれたらいいな。

あわよくば床でなでなでしたいです。ヘソ天してくれた時に椅子からずるりと落ちそうになるので、人間はヒヤヒヤしています。笑

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