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食品のクサミ

 

 貧乏人のくせに、生意気な! ……と叱られそうだが、僕は案外味覚が敏感なのだ。


もとより「食通」という意味ではない。単なる好き嫌いに近いのだろうが……食物から感じる「クセ」とか「クサミ」を感じると、全く食が進まなくなるのだ。

 最近の例で言えば、スーパーなどで売っているレトルトハンバーグである。メーカーは伏せておくが、結構評判もよく、有名タレントも推奨しているようだが……まあ、食べている最中はそこそこなのだが……、なんと言うか、食後感がよろしくない。
 ちょっと下品な表現になるが、「ゲップ」に感じる、「クサミ」である。
 思えば、しばらく前まで、安いという理由だけで、成形肉のサイコロステーキを頻繁に食べていた時期があったのだが……ある日、「オクビ」に覚えた、食い物あらざる「クサミ」にゾッとして、全く食指が伸びなくなったものだ。
 これと同じ「クサミ」を先のハンバーグにも覚えたのだ。
 憶測でしかないのだが、成形肉に加えられる、食材あらざる内臓系の肉片、その他もろもろの渾然となった「クサミ」ではないのだろうか?
 調味料等でいかに誤魔化そうと企てても、「オクビ」……要は「ゲップ」の結果込み上げてくるガスの中に、紛れも無い、不気味さを感じるわけだ。

 贅沢を言わせてもらえば、コトは肉系だけではない。

 一番気になるのが、いわゆる「白身魚のフライ」である。僕の許容範囲では、せいぜい「マダラ」までなのだが、これが「スケトウダラ」になると、その「クセ」が気になってくる。世間では、「クセがない」「サッパリ」という評もあるが、僕としては首を傾げざるを得ない。
 加えて、「白身魚」そのものがくせ者なのだ。調べてみれば、聞いたコトもない名前も多く、メーカーとしては、なんとかこれを「白身」という言葉を強調して誤魔化そうとする作為を感じるのだ。
 僕は何も既存の魚だけを評価する気もないが、それまでソッポを向かれていたからには……あまり美味くなかったと考えられる。
 もしそうでないならば、堂々とその新種の魚を立派な食材として表面に押し出せばいいはずである。

 単なるマーケット的な戦略以前の、誤魔化しを僕は感じてしかたがない。

 色々悪口を連ねたが、金欠の時は結局あまり「クセ」や「クサミ」に縁のない、豆腐系に的を絞っている。
 細かく言えば、妙に「石灰くさい」時もあるが、……特に「雁擬」などは味付けを濃くすれば、特別気になることはない。

 ここで少し言い訳をしておくが……先のレトルトハンバーグを食うくらいなら、牛肉には無縁ながらも、良心的に作っていると信じられる「100円ハンバーグ」の方が、遙かに美味いと思う、今日この頃であります。

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