冷や飯食い
コンビニで弁当を買うと、必ず「温めますか?」と聞かれるが、大抵はお断わりしている。仮に即食べるにしても、レンジでチンなどいかに面倒くさがりやの僕でも造作はない。
まあ、今までは特別の思慮もなく、コンビニだろうとスーパーだろうと、弁当は必ずチンしていたものだが……やはり、気になってしまうのが、温まって欲しくない、例えばポテトサラダなんかが温いと、どうもいけない。
そんなこともあって、この所、ズボラというわけでもないのだが、弁当は温めず……時には冷蔵庫に保存した状態で食べることが多い。
実は、この切っ掛けとなったのが、やはり酷暑の去年の夏の頃で、買ったおにぎりを一度冷蔵庫で冷やしてから食べるという習慣からであった。
思えば「冷や飯食い」という言い種がある。居候など、若干冷遇されている人に対する蔑称だろうが……僕は案外昔から、しいて「冷や飯」を好んでいた傾向がある。
炊き立てのホクホク、ホカホカたご飯に対しても、全く愛着がない。
特に好んだのが、晩飯がカレーだった時など、冷蔵庫で一晩寝かした余りを翌朝……冷や飯にぶっ掛けて食うのが好きだったのだ。もちろん、カレー自体は温めるが……
当然、冷めた飯が好きと言っても……例えば丼ものなどは、やはり温かい方がいいだろうし、オカズにしてもハンバーグや焼き肉が冷えていてはあまり美味とは言い難い。
それでも、豚カツなんぞは冷たいまま、冷や飯で食うことに抵抗はないし、かえって美味いとも感じてしまう。
いずれにしてもこの殺人的な暑さ!
クーラーの効いた居室に住まう住人とは違って、消夏の方は団扇一振りの身分としあれば、「冷や飯食い」も、僕としては夏の季語に加えたいと思っている。
貧乏人です。創作費用に充てたいので……よろしくお願いいたします。