未熟者
十年弱前、子供の進路の事で妻と意見が割れた。お互いに一歩も引けない。自分の信じる正義があるから。
そんな時、私は母に相談しました。
その時の母は「奥さん、それではイヤなんだよ、好きにやらせてあげな」だった。私の知っている母とは真逆の答えにとても驚き憤りすら感じた。
結局私は自分の正義を捨てるしかなかった。
悔しかったし、子供の将来に絶望すら感じた。
すべてが終わった今になって、思い出した。
あの時、どちらかを選べ!のYES NOじゃなくて、お互いの気持ちをしっかりと伝えあい、とことん向き合えたなら、結論は同じでももっと違った10年を過ごせたのかもしれないな。
相手の話を聞く、相手の大切な思いを認める、自分の正義は自分にしか適用されないと知る、そんな余裕はまったくなかった。
思えばあの時の母は、私を育てた頃の母ではなく、ずっと先に行った成長した母だったんだよな。
まだまだだなぁ…
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