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詩集 巡る季節に

はじまりー新年に寄せるー

こうしてまた
新しい一年がやって来る

新しい自分への
階段を上がる一年
まだ会ったことのない
誰かに出会う一年
期待に
胸を膨らます一年
悲しみと
喜びが混ざり合う一年

ひとりひとりに
それぞれの
新たな物語がはじまる

どうか
全てのひとびとに
多くの幸せが訪れますように…


さくら

ひらひら ひらひら さくら
ふるふる ふるふる さくら
まうまう まうまう さくら
ちるちる ちるちる さくら

春の終わりを告げるか さくら


卒業

かけがえのない日々
時にぶつかりながらも深まった絆
ここで生まれた絆や日々は
生涯の宝になるだろう

卒業は永遠の別れじゃない
自らが成長するための通過点
さようなら
また会おう 友よ


夏の訪れ

夏の風

お前は
熱気を連れて
わたしの前に
現れる

おお
夏の風よ

吹き付ける
お前の
なんと暑いこと

おお
夏の風よ

お前は
今日もまた
暑さを増して
わたしの前に
現れる

すいか

緑の体に
黒の縞々を纏った
すいか

中身は
真っ赤な果肉と
真っ黒な種が
ぎっしりと
詰まっている

その 瑞々しさを
感じながら
一心に
食べ続ける

すいかよ
きみは
夏の訪れを
教えてくれたんだね

日の照りつける
この真夏

お前は
しきりに
鳴き続けている

お前の
鳴き声は
まるで
お前の
短い命の
鼓動のように
聞こえてくる

やがて
お前が
この世を去る時

お前の
仲間たちの
鳴き声は
まるで
お前の
弔いのように
聞こえてくる

蝉よ
命の限り
鳴き続けるのだ

お前の鼓動を
そして
お前の弔いを

真夏の太陽

真夏の太陽が
アスファルトを
照りつけていた

わたしは
お前の熱に
逆らいながら
歩き続ける

次第に
真夏の太陽は
温度を上げてゆく

そうして
お前の
その熱は
わたしを
灼いていった


花火

闇夜のキャンバスに
打ち上げられる
光り輝く
大輪の花

その 美しさに
見惚れながら

わたしと
あなたの
距離も
そっと 縮まる


たなばた詩ふたつ

七夕に

七夕に

人々は
短冊に願いを書いて
笹に掛けるという
風習がある

毎年来る七夕

あなたは
どんな
願いを書くだろうか?

七夕に

人々の願いが
叶うことを
わたしは願う

天の川幻想

夜空を 横切る 光の帯
天に 流るる 光の川

天の川

愛し合っていた
織姫と彦星
しかし
見咎められた
二人は
引き離されてしまった

だが
七月七日だけは
会うことを許され
二人は
短いひと時を
心行くまで楽しんだ

七月七日
織姫と彦星のように
離れ離れになった
あの人に
会えるかもしれない

あの人に
会えたら
どんな話をしよう
どんな時間を過ごそう

あの人に
会うことができたら
どんなに
特別な一日だろう


花火

夏空に
打ち上げられる
無数の 光の花々

その
光の花々の 煌めきと
光の花々に 照らされる
隣にいる
きみの 横顔に
ぼくは うっとりする


晩夏

灼熱であった
この夏も
次第に 退き始める

幾度か見た
夏の夕映えも
見ることが 出来なくなると思うと
郷愁に近いものを感じる

そうして
秋の気配が
少しずつ
わたしたちの前に
近づいてくる

私は淡く
去りゆく夏へと
思いを馳せた


金木犀

季節は すっかり
秋の装いを
見せていた

いつもと変わらない道を
歩いていると
金木犀の
甘美な香りが広がる

金木犀の
鮮やかなオレンジと
甘美な香りは
束の間
私の心を癒した

金木犀の秋

いつもと変わらない道が
金木犀が咲いている事で
小洒落た道へと変わり
心も癒され
いつしか
優しい気持ちになった


秋の道

少しずつ
冬へと向かう
肌寒さとともに
秋の道を歩く

ゆっくり
ゆっくり
踏みしめるように歩けば
落ち葉の布団や
樫の実が
迎えてくれていることに気づく

金木犀の
甘美な香りと
紅葉の
鮮烈な紅もまた
秋の道を 彩っている

秋の自然は
まるで
人々に寄り添っているようだ

そうして
歩くほどに
秋の自然が
私に 何かを
気付かせてくれているようだった


冬が来ると…

冬が来ると
なぜだか
人肌が恋しくなる

寒さのせいで
心まで
冷え切ってしまったのか

体が
暖を求めるように
心もまた
暖を求めているようだ

冬は一層
切なさをもたらす

冬が来ると
心を温めてくれる人が
側にいて欲しい


寒空

外は
かなりの寒さに
満ちていた

手を出していれば
刺すような 冷たさが
じわじわと襲ってくる

息を吸えば
冷たい空気を吸い込み
一瞬 喉が凍りそうになるほどだ

しかし
これも冬だからこそ
感じることが出来るもの

気付けば 寒さから
少しでも 身を守ろうと
無意識に
手に 息を吹きかけていた


聖夜譚詩

街は煌びやかな…

クリスマスが近づくと
街は 煌びやかな電飾で
彩られていた

街を行き交う人たちも
その電飾に
惹き付けられ
いつしか 足を止める

家族連れや学生たち
手を繋ぐカップルが
クリスマスを
心待ちにしているようだった

モミの木のある風景

モミの木は
クリスマスを迎えるまで
飾りや電飾を纏わされ
クリスマスの象徴となる

モミの木が
見せる風景は
人々の心に
強くクリスマスを意識させる

人々が
どんなに行き交おうとも
モミの木は
その場所を動くことなく
人々の様子を
ただ静かに見ているようだった

クリぼっち讃歌

今年もまた
ひとりの
クリスマス

ぼっち
ぼっち
クリぼっち!!

リア充なんて
気にするな!

ひとりで歌え!
ひとりで踊れ!
ひとりで騒げ!

ひとりきりで
ぼっち流のクリスマスを
謳歌するのだ!!

サンタクロース頌

冬の寒空の下
クリスマスに
サンタクロースは
白い息を吐いて
やって来る

いい歳をした ぼくに
プレゼントなど
あるはずがないと思っていたけど
紛れもなく
目の前にいる きみは
ぼくにとっての
プレゼントだった

プレゼントと
サンタクロースは
実は 身近にいてくれる
大切な人なのかもしれない

ぼくは
サンタクロースという
きみに
また恋をした

聖夜~特別な時間~

こうしてまた
二人のもとに
クリスマスが訪れた

あなたと迎える
クリスマスは
強くお互いを意識させる
どんなに幸せを
噛みしめる日であろうか

愛するあなたと過ごす時間
この聖夜は
もっと あなたの事が好きになる
特別な時間なのだ


年の夜明け

昨日までの一年に
別れを告げ
新たな一年の
日は昇る

年の夜明けだ

去っていた一年の
思い出を残し
やってきた一年に
決意を固める

それぞれの
人生の物語に
今年もまた
新たな思い出が
書き記されてゆく

辛く悲しいことに
さいなまれても
年に夜明けがあるように
心にもまた夜明けが来る

幸多き年になるよう
祈り願い
人は生きてゆく

年の夜明け
心の夜明け

そして
希望をもたらす
新たな出会いがまた…


日本の四季音

日本には、
美しい 四季がある。

春が、夏が、秋が、
そして 冬が。

この、
十二ヶ月のうちに訪れる
四つの季節は、
わたしたちに
折々の風景を
見せてくれる。

匂い、音、
そして…
風。

日本には、
美しい 四季がある。

ほら、
耳を澄ませば
きこえてくるだろう。

やってくる
四季音が…




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