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MUSIC CAMP for kidsについて①

 子ども達へ向けた音楽教室
MUSIC CAMP for kids
というものを2022年から開催しています。
 今年の開催時期は5月頃を予定していて、最近はそちらの準備もやっているので詳しく書きたいところなのですが、これがなかなか短くまとめきれないなあという気がするので、何回かに分けて書こうと思います。そして、自分の頭の中をそのまま書くと掴みにくい話になってしまいそうなので、ひとまず事の起こりから時系列に沿って書いてゆきたいと思います。

 「子ども向け」というカテゴライズについて、こと音楽という言葉とくっ付けると、ある程度の”胡散臭さ”を感じてしまいます。正直に書くと、音楽家として過去に携わった仕事の中にも、やりきれない思いを持ったものもあったりします。そういったものの多くは「子ども向け」ではなく、お財布を管理している「保護者の方々向け」になっているようであるからです。そして、あえて「子ども向け」の出し物をやるという発想に、違和感を感じてしまうからです。

 3年ほど前、ある仕事に関するミーティングの中で「子ども向けにライブをする時間を作ったらどうか」という提案がありました。その時、2つの事について率直に自分の考えを話しました。
①短絡的に「子ども向け」をやる事の危うさ
②本気でやるのなら聞き取りや試行錯誤が相応に必要であること

主にこの2つです。
 まず①については、「子ども向けってつまりなんだ??」という部分が引っ掛かります。時間帯?設備?衣装?言葉遣い?……あえて「子ども向け」というならば、本当にそうなっていないと”保護者の方々が納得しそうな物”を並べる作業になってしまう気がして、本質的な部分が曖昧になるのです。であるならば「子育てで忙しい保護者の方々へ向けたライブ」にした方がまだ気持ちが良いと思うくらい。子どもの初期の音楽体験の為に、何をどう伝えるのか・伝わるのかを考えると、安易に触れてはいけない聖域のようにすら感じてしまいます。
 それでもやってみよう!となると、②の問題が起こります。有識者の方に意見を聞いたり、相当な時間を使って内容を練らねばなりません。イメージするものとしてまず思い浮かんだのは、数年前に体験した「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」での記憶でした(ここで詳細について書くのはあえて避けます。そこまで書くと本当に長くなってしまうので…)。すごく簡単に書くと”視覚障害者の方の先導で真っ暗闇を歩き回り、視覚以外の感覚のみで日常を体験する”というようなものですが、子どもの初期の音楽体験とはつまりそういうものに近くあるべきなのではないかと感じたのです。そこまでやれれば本当に面白いはずなのですが、それはつまり大発明に近い事をやってのけようという事になるので、流石に生半可では無理なのです。そして何より、当時は有識者との繋がりもないという!
 …考えすぎと思われるかもしれませんが、あくまで”自分がやるなら”という話なのです。そういう性分なのです。過去に”子ども達にグループレッスンを”というオファーが来た時も、童歌(わらべうた)の専門家の方が開催する”子ども向け”のワークショップにお邪魔し、見学させていただき(本当に素晴らしかった!この事だけでも5本くらいは記事にできます)お話を伺ったのですが、そこでもやはり”子ども向け”の難しさを見て、全身が粟立つ思いでした。当たり前ですが、子どもって一番大切だと思うのです。

 話を戻しますが、ミーティングの中で立ち上がった「子ども向けのライブ」の話は、実はそれで終わりではありませんでした。
 率直に意見を言いつつも心の中では「単に拒絶したと思われてないかな〜」と自意識過剰気味にヒヤヒヤしていたのですが、「そういう事なら」と言ってある人物を紹介していただけることになったのです。それが
早川史郎先生
とおっしゃる童謡と音楽教育界のプロ中のプロの方でした。
 すぐに企画書を作り、ヴァイオリニストの北床宗太郎氏を強引に引っ張り込み、会いに行きました。

 それがこのMUSIC CAMP for kidsのはじまりのひとつ前あたりのお話です。
 幸運なことに、史郎先生はとてもにこやかに受け入れてくださり、お忙しい時間の最中にしっかりとお話を聞いてくださいました。そしてその時間の中で氏のおっしゃったいくつかの言葉から、沢山のインスピレーションをいただくこととなったのです。本当に、史郎先生凄かった。

 そこからまた色々な事が起きたのですが、それはまた次の機会にしたいと思います。


ダイアログ・イン・ザ・ダークhttps://did.dialogue.or.jp 
ミュージアムは竹芝にあります。大興奮です。是非とも。

早川史郎先生→https://www.kyoiku-press.com/post-247806/
ネット上にプロフィールもありましたが、分かりにくいので史郎先生について書かれている記事を貼り付けておきます。2年前にも何やら凄そうな賞を!やっぱり凄いなー!!


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