これからの常識「クリエイターエコノミー」ってなに?
5000万人
世界で自らを「クリエイター」と自認している人の数です。
誰でも、発信や出品できる時代になってきたことで、クリエイターの数は爆発的に増えました。YouTuberにとどまらず、起業家、店主、アスリート、教員まで、あらゆる職種がクリエイター化しはじめました。
ですが、これまでは、プラットフォームの力が強すぎました。クリエイターは従属的な立場に置かれており、以下のような弊害があります。
・アテンションの奪い合いに終始
・プラットフォーム側の変更に左右
・手に入る収入の分け前が少ない
主役はプラットフォームであり、クリエイターが稼ぐのは難しかったのですが、そこで登場したのが、「The Creator Economy」です。
「The Creator Economy」
クリエイターがその「情熱」を武器にコアなファンを構築し、そこで稼げる仕組みです。
今年に入ってスタートアップ界で怒涛の動きがありました。
□1月
・ニュースレターのRevueをツイッターが買収
・音声SNSのクラブハウスがクリエイター支援策を発表、評価額1000億円超え
□2月
・ニュースレターのSubstackが、有料会員50万人、トップ10人のライターが計15億円稼いだと発表
・ライブ配信のTwitchが欧州で、クリエイター課金の実験策を発表
・人気クリエイターが起業の写真SNSのDispoがβ版を開始氏、約20億円の調達と報道
・クリエイターエコノミーのVC「Atelier Ventures」が設立
・超人気ポッドキャスターのジョー・バッテンが。Patreonと独占契約
・クリエイターの資金管理サービスStirが、約100億円の評価額
・LinkedInが、フリーランス支援の「Marketplaces」を開始
□3月
・ゲーム版Youtubeこと「Roblox」が上場し、時価総額4兆円超え
・デジタルアーティストBeepleのNFT作品が、約75億円で販売
テックの巨人たちも一気になだれ込みました。
・ツイッターは1月にRevueを買収、2月にSuperfollows、Spacesと新機能を発表
・Spotifyは2月に大規模なクリエイター支援策を発表
上記からわかる通りクリエイターの「黄金時代」が到来しようとしています。
「パッション」を金にする時代
これまではアマゾン経済圏にいる大量のユーザーにアクセスできるものの、あくまでAmazonが主役なので、ファンは作りにくいものでした。
今後は店主が直接ファンを見つけて稼ぐのを手助けするツールをサポートし、クリエイターとして自分の作りたい商品に集中できるようになっていきます。
クリエイターエコノミーでは以下のようになっていきます。
・稼ぎ方
オーディエンスを生み出し、継続した収入
・プラットフォーム
個性をエンパワーするマーケットプレイスになる
・顧客との関係
顧客とのダイレクトな関係を促進し、ロイヤリティを創出
・成長手法
ユニークさが売り。ニッチでもコアなファンを獲得する
2020年にコロナが到来し、雇用が不安定になり、時間は増える中で、個人のクリエイターが一気に台頭しました。これによりクリエイター支援のプラットフォームも急成長を遂げました。
では一体何が起きているのでしょうか。
・脱・アテンションエコノミー
・ファンと直接繋がれ
・マルチな収入源を確保する
脱・アテンションエコノミー
テック企業が広告を牛耳る中で、メディア業界は、検索やSNSで耳目を集めるだけの「アテンション・エコノミー」に飲み込まれていた。
そんな折に現れたのがSubstackという2017年創業でだれもが手軽に無料でニュースレターを作成し、読者から月額課金できるサービスを提供している企業です。個人のライターが読者と直接つながり、月額課金できるようになったことで、ニッチなトピックでもコアなファンが作れるようになっています。プラットフォーム側は課金が発生したときにだけ手数料を徴収するモデルです。
上記のようなサービスを利用する個人クリエイターの成功ルートとは??
ファンと直接つながる
YouTubeやTikTokerは、巨大なフォロワーを誇る「インフルエンサー」をたくさん生み出しました。しかし、収入が広告モデルだと、ファンとの「信頼関係」を損なわせることもあります。
そこでファンとの絆を強力にするツールが登場しました。
それがPATREONという会社です。もともとYouTubeで音楽を発表するアーティストだったジャック・コンテが2013年に創業しました。
これはさまざまなクリエイターが、ファンと直接つながり、月額サブスクリプションで課金するモデルを生み出しました。ファンは限定コンテンツやコミュニティへのアクセスができるようになります。
これはフォロワーの数より、スーパーファンの存在が重要になります。
さらにコミュニティが重要でクリエイターとファンだけの縦の関係ではなく、ファン同士がつながらなければスケールしないものになっています。
マルチな収入源を確保する
2020年のトランプ政権によるTickTok禁止をはじめ、アルゴリズムの変更も含め、一つのプラットフォームに依存することは危険です。今やクリエイターや起業家たちは、一つのプラットフォームに頼るのではなく、多様なチャンネルで稼いでいくことになります。
NFTという起爆剤
今年にクリエイターエコノミーを後押しするもう一つの概念が登場しました。
NFT:アートや動画、写真などの”本物”を手に入れられる仕組みである。ブロックチェーンの記録を通じて、その作品が「唯一無二」であることを保証する。コピーが出回っている作品でも、自分が「本物の所有者」ということを明らかにできる。
クリエイターは自分の作品をNFT化しマーケットプレイスを通じて、直接スーパーファンからマネタイズできます。
これまでは音楽配信等はアーティストへの還元額はとても小さかったですが、NFTを使うと、ファンに「所有権」を売り、その後、転売されても、そのたびに一部を収入として手に入れることもできます。
ですが、このクリエイターエコノミーにもいくつかの問題点を指摘されています。
クリエイターの「格差」
PATREONでは月に13万円を稼ぐのは全体の2%、Spotifyは300万人のアーティストのうち1.4%が全体のロイヤリティの90%を占めています。
カルト資本主義の台頭
イーロン・マスクが暗号資産Dogecoinについてツイートするごとに価格が高騰し、ファンたちも稼げるマッチポンプのような循環が起きました。
マッチポンプ:自らマッチで火をつけておいて、それを自らポンプで水を掛けて消すと言う意味で 偽善的な自作自演の手法・行為を意味する和製外来語である。
参照:Wikipedia
まとめ
「個」の時代はテクノロジーによってどんどん加速していくように感じます。
私は投資もその一つだと感じています。
もっともっとたくさんのことにチャレンジして「個」としての成長を目指します!
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