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反射

レースのカーテンが揺れる。
窓の外に目をやれば、春の光が口笛を吹きながら通り過ぎてゆく。

そう、新しい口紅と春色のスカーフを買いに行こう。

私は、落ち込むのも早いが、立ち直るのも早い。

そして、旅に出るのだ。全てを捨てて。
イケナイあの人は、隣の部屋で眠っている。
さよならは言わないつもり。


ドアを開けると、眩しくて目を開けていられない。
爽やかな風が吹き抜ける。
これ以上旅立ちにふさわしい日は無いだろう。


明るい未来に向かって、私はドアを後ろ手に閉める。
少しだけ、ドアは悲しい音を響かせた。


あの人は眠っている。
春の光を反射させ、ナイフは彼の胸で光っているだろう。
 

•••••••Goodbye forever•••••••