新聞紙 ショートストーリー
明日は廃品回収があるので新聞紙を束ね始めた。ふと手を止めた。見覚えのないタブロイド紙が一面混じっていたのだ。何だろうと思い、それを広げてみる。
まさかの全面のお悔やみ記事。それも私の。
私の少ない経歴がこと細かに書いてある。
私は今日の午後7時頃、心臓発作で命を終えたとあり、ご丁寧にお悔やみのことばが長々と記載してある。
これは虫の知らせのひとつなのか。時計を見ると3時。残り4時間ほどの命らしい。
私は驚きはしたが、自分でも不思議なほど冷静だった。70を過ぎ、愛する人もいない