めい

おばあが何を書くのかな? 行き当たりバッタリなものが多いですが、世代の違いの面白さはあ…

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おばあが何を書くのかな? 行き当たりバッタリなものが多いですが、世代の違いの面白さはあるカモ?(2023年5月に古希を迎えました)まあ、ヨッタラヨッタラやっております。 興味のある方、それほどでもない方、お暇な方、読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。 めい

マガジン

  • シロクマ文芸部

    小牧幸助さんの企画に参加させていただいています。毎週木曜日にお題(書き出しの言葉指定)が発表されます。 参加資格は、一人以上の方にコメントをする事です。

  • 毎週ショートショートnote

    たらはかにさんの企画です。410文字ほどの世界。お題は毎週日曜日に出されます。

  • ショートストーリー

    短い創作小説を置いています。

  • 企画への参加

    小説、エッセイ、俳句etc

  • 爪毛の挑戦状

    爪毛川太さんの企画です。 410文字の世界。お題は固定です。選ぶのはあなた。

最近の記事

  • 固定された記事

渚にて(ショートストーリー)

ただ歩くだけで良いからと君は言った。 「最後のお願い、一緒に渚まで歩いて欲しい。話しかけてくれなくても良いの」 私は小さく頷き、彼女の歩調に合わせてゆっくりと歩く。 私たちは終わったのだ。終わりがあるということは始りがあったはずなのだ。それはいつだったのだろう。どこで出会ったのだろう。 彼女の長い髪、その後ろ姿に見覚えがあるような気もした。 そうだ、この私はいったい誰なんだ。名前は?彼女の名前もわからない。自分の名前さえも。 だが、私は彼女を知っていたはずだ。愛していた記

    • 仮装 シロクマ文芸部

      「懐かしい顔が揃うのが楽しみだね」 魔女はひとりごとを言った。 ハロウィンは来月だが、それは人間の祭り。 我々の祭りではないのに、わざわざ一部の本物の魔物の若者たちがパレードに参加しているとも聞く。若者たちは突飛なことをするものだが、何が面白いのやら。 そう思っていたんだがね。私の仲間たちが人間のハロウィンのパレードに参加したいと言い出してね。たくさんの若者たちが魔物ネットで楽しかったと投稿するもんだからさ。まあそういう事で仲間が集うのさ。 それで、私も参加することになり

      • タンバリン湿原 毎週ショートショートnote

        トカゲとヘビが湿原で出会った。 「お前、足が無いのか。気の毒に」 「お前、足が4本も必要か。気の毒に。速く走れるのは俺だ」 睨みあう二匹。 二匹が揉めているのをじっと見ている者が。 この湿原に住むイヌワシ。 「お前たち、何を揉めているのだ」 「イヌワシ様、どっちが速く走れるかと」 「私がお前たちを追っかけてみれば分かるな」 「いえいえ、私の方が遅いです」 二匹は声を合わせた。 その時、トントンシャンシャンと聞いたことのない音が聞こえてきた。 「イヌワシ様、あの音は何で

        • モンブラン失言 毎週ショートショートnote

          私は甘い菓子は嫌いだ。 ケーキなど、あれは食べる物では無い。鑑賞するものだ。確かに美しく魅力に満ちている。 ただ、モンブランは見るのも嫌だ。 我が夫は白い山、モンブランの登頂を目指しフランスに行ったきり帰って来ない。もう10年以上も前の事だ。 一人娘は12歳になる。父を知らぬ可哀想な子だけど、素直な優しい娘。  娘は洋菓子のモンブランが大好物。皮肉だなと思うが父親の事、私の気持ちを伝えた事はない。 娘は父のことを知っていた。口さがないスズメは何処にでもいる。 ただそのこ

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        渚にて(ショートストーリー)

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        • シロクマ文芸部
          81本
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          26本
        • 〈古い記憶〉こんな事ありました
          10本

        記事

          尻尾 ショートストーリー

          「猫さん。君と僕の尻尾、一日だけ交換してよ」 「いやよ」 「チュール3本でどうだい?」 「5本なら半日交換しても良いかも。でも何で尻尾を交換したいの」 「君の尻尾の動きが素敵だからさ」 猫も悪い気はしなかったので応じることにした。チュール5本は魅力だし。 数日後。犬はチュールを5本無理して手に入れ、猫に渡したのに猫はなかなか約束を守らない。問い詰める度になんだかんだと言い訳を並べるだけ。 業を煮やした犬は自分の尻尾を猫の目の前でフルフルと振り始めた。猫は犬の尻尾にじゃれ、

          尻尾 ショートストーリー

          レモン シロクマ文芸部

          レモンから漂う爽やかな香りを思い出してみる。 もう何年もレモンを手にしたことは無い。手軽な濃縮還元レモン果汁を使っているから。 ファーストキスはレモンの香り、初恋はレモンの味、そんな風に言われていた少女の頃。本当なのか。その答えを知るのはまだまだ先の事だった。 幼い頃、レモンが果物屋さんで売られていたか記憶に無い。ひどくオシャレなイメージがあった。レモンというものを初めて意識したのは、外国のお話だったような気がする。 外国の児童書と出会ったのは、10歳くらいの頃。 「小

          レモン シロクマ文芸部

          誘惑銀杏 毎週ショートショートnote

          秋も深まり、心の奥底で人知れず残っていた小さな炎が少しずつ成長を始める季節。 黒の魔女は、銀杏の実を木から落ちる前に集めていく。黒いカラスと黒い猫を伴って。毎年の大仕事。 銀杏の匂いに鼻をつまむ者は多いが。これはお宝なのだ。秘薬を作るためにはこれが無くてはならない。 例えば香水を作るのに、良い香りのものを調合するが、ほんのちょっぴりだけ臭い香りを足す。よく知られた事で知っている者も多かろう。それと似たような事だ。銀杏が無ければ秘薬は完成しない。 お察しの通り、私が作ろう

          誘惑銀杏 毎週ショートショートnote

          流れ星 シロクマ文芸部

          流れ星はどこから来て、どこに流れていくのだろう。 地球に落ちた流れ星は、何かの使命を負っているのかもしれない。 流れ星と言うからにはそれは星なんだろう、でも考えつかないような別のものかもしれない、いや、宇宙船の名前かも。 流れ星に一度会ってみたい。と言うより乗ってみたい。星の世界ってどんなだろう。 そんなことを思いながら毎日夜空を眺めているトムリなのです。 トムリの望みは叶うのかな…… トムリがいつものように夜に外に出ると、裏庭に続く草原に彼女は立っていた。 夜にもかかわ

          流れ星 シロクマ文芸部

          階段 ショートストーリー

          日曜日。 この家はなんか変なの。 ママにそう言ったけれど、引っ越したばかりで慣れてないから、そんな気がするのよって笑う。 パパは何か出たらパパが退治してやるからな、って笑う。 仕方がないので私も笑った。 二階に行こうと階段を上り始めた。 すると階段がうねりだした。 うねりが終わるまで階段の途中で腰かけて待つ。 ジェットコースターを思えばなんてことない。やっぱり変だけど。 すると、階段の上から三番目の段に私と同じくらいの男の子が現れた。 私は驚いたけど怖くは無かった。 だっ

          階段 ショートストーリー

          ひと夏の人間離れ 毎週ショートショートnote

          夏休み。 「ねえねえ」 足元で声がした。 ボクが振り返ると白い犬が。 隣で最近飼われ始めた『シロ』だ。 「今、喋ったよね?」 「うん、頼みがあるんだ」 「何?って言うより、喋れるの?」 「私は宇宙から来たんだ。私は地球の岩盤の調査をしている」 「嘘だろ?」 「君に頼みたい。少しの間、君の体を貸して欲しい。地球のためでもあるんだよ」 「困るよ、宿題だってたくさんあるし」 「犬になっていたって出来るさ」 断る間もなく、僕は白い犬になった。 僕になったシロは、あっという間に

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          月下美人 シロクマ文芸部

          今朝の月下美人は、すでに萎れているはずです。 昨夜、そろそろ開き始める頃だと思いながらも、おばあちゃんは居眠りを始めて、そのまま朝まで眠ってしまったのです。 あんなに花の開く日を心待ちにしていたのに。そう思うと、悔しくて、悲しくて、残念でなりません。 過ぎてしまった時間は戻る事は無いのです。 慌てておばあちゃんは月下美人を植えてある庭に走りました。 「花の咲くのを見守ってやれなくてごめんよ。あぁ、綺麗に咲いた姿を楽しみにしてたのに」 すると萎れた月下美人の花は、優しい声で

          月下美人 シロクマ文芸部

          森の奥 ショートストーリー

          あなたは知っているかしら 最近の噂 あの森を けっして行ってはならない 若く美しい人は 男でも女でも 何者かが連れ去ると そんな噂 噂は噂だけれど 若くもなく 美しくもない そんなあなたであれば 無事だろう そして私もだ 森の奥深くにあるという 大木の樹洞 『覗いてはいけない』 そう書かれていた古い文書 戒めを無視し 樹洞を覗いても 何も起こらない 何も見えない ホッとして振り向けば 来た道と違う道が待っている その道以外に道は無い 元の場所に戻れた人もいるけれど

          森の奥 ショートストーリー

          夢の中の猫 ショートストーリー

          エミちゃんは猫が大好き。 それなのに、猫アレルギーなのです。 こんな悲しいことはないですよね。 猫を抱っこしたい。猫を撫でたい。 そして猫を家で飼えればどんなに素敵でしょう。 猫アレルギーを治す薬は無いのでしょうか。 お父さんもお母さんも猫アレルギーではありません。 病院で治せるなら、何度だって大嫌いな病院に行くのにと思うエミちゃんでした。 そんなエミちゃんはある夜、夢を見ました。 エミちゃんの側に大きな三毛猫がいました。 多分、おばあちゃんちの ムギ だと思いました。

          夢の中の猫 ショートストーリー

          手毬(てまり) シロクマ文芸部

          花火と手渡されたのは手毬。 広島の祖母が会いに来てくれることになり、私に欲しいものを訊いてくれ、忘れずに土産として私に渡してくれたのだ。 願ったものは手毬。花火はオマケのようなものだったのか。線香花火が10束ほどあった。これはこれで私たちを喜ばせた。 昭和30年代は、女の子の玩具としてお人形、ままごと道具、手毬は必須アイテム的なものだった。 前に持っていた手毬を失くしてしまった私。 母は大事にしなかったからだと、新しい手毬を直ぐには買ってくれなかったのだ。 外で遊ぶとき

          手毬(てまり) シロクマ文芸部

          名前の無い虫 #新しい自分 #シロクマ文芸部

          こんな話をするのは初めてですのよ。 私の名前?ニンゲン様は、いくら待っておりましても私どもに名前をつけてくださらないので、まだ名前はありませんの。 皆様の間近におりますのに、どなたも私たちの存在に気づいて下さらないなんて悲し過ぎますわ。 私どもは皆様あっての命と申し上げましても少しもオーバーではありませんのよ。感謝しかございません。 私どもは皆様の貴重な血液をほんの少しだけ分けて頂いて生き永らえておりますの。そんな私達の存在を気づいておられますでしょうか。 たとえそん

          名前の無い虫 #新しい自分 #シロクマ文芸部

          鋭利なチクワ 毎週ショートショートnote

          それはある国の細菌兵器の開発途中に起こった。 ある未知の恐ろしい細菌は、完成間近の時点で国内、世界に飛散した。誰かのミスであったのか狙ったことなのか未だに不明であるが開発国はすでに国家としての体制を失っている。噂ではAIによる反乱ともいわれるが。 その問題の細菌はチクワが好みのようで、彼らは脇目も振らず日本を目指しチクワに付着。なぜチクワなのだろう。似たような製品は何処にでも存在するはず。科学者達はただ首を傾げた。 このチクワを食すと人々は狂喜乱舞しながら苦しむ。 しかし

          鋭利なチクワ 毎週ショートショートnote