母は太陽

僕の友人が母になった。
友人はとても優しい人間である。子供が虐待されるニュースをみたら悲しみと怒りで泣いてしまうほどに。
そのニュースは、母親が8日間旅行に行って赤ん坊が死んでしまったというものだった。
僕は何も感じなかった。ただそれは呆れていたからだと思う。やっぱりねって。
でも、その子はそうじゃなかった。

「あかちゃんがどれだけ孤独と戦っていたか。お母さんって泣いていたかとおもったら、ないちゃって。」

照れたようにいうその子は、美しい心の持ち主だった。
僕は堪らなくなりなきだした。僕はこう思っていた人間に対し。
人間とは畜生と同じと、だがこの考えはこの子によって打ち砕かれてしまった。
打ち砕かれたが悪くはない崩されかただった。
人間不信の私からしたらあたりまえのニュースだったが、その子にとってはあたりまえじゃなかったのだ。
僕は嬉しかった。こんな子がいてくれて。今の世の中を照らしてくれる太陽だと思った。

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