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絶品料理と猫〜八丈島旅行⑤〜

「まずはベースになる砂の色を選んでください」

工房の一室で講師の方が丁寧にジェルキャンドルを作る工程を説明してくれている。
この旅行の記念に何か作ろうということで体験工房に来ていた。

講師の方の優しい眼差しを子ども達も感じ取ったようで、リラックスして色々と疑問を投げかけながら制作を進めていった。

「同じご兄弟でも制作への取り組み方がまるで違って面白いですね」

と講師の方が楽しそうに話してくれた。

長男はじっくり熟考しながら進めていくので、何かを選択する際は時間をかけて選んでいく。先のことを予測しながら進めたりする様子もある。

次男はその時の気分や感覚でささっと決定していく。途中でハプニングが起きても気にせず、その異変すらも楽しんでいるところがある。

完成した作品は年齢差も多少関係していると思うが、全く違った出来上がりになった。終始優しく丁寧に教えてくれた講師の方のおかげで、息子達それぞれの個性が出来栄えに現れたのだと思う。良いお店に出会えてよかった。

長男作。
次男作。貝の文字だけ妻が記入した。

ジェルキャンドルと一緒に家族みんなでギョサンと呼ばれるサンダルを購入した。水場で使用することを前提とした作りになっていて滑りづらいとのことで、海や川に行く際にマリンシューズと併用して使用できそうだ。色や形のバリエーションがたくさんあって、長男はそこでもじっくり悩んでいた。


工房を後にして海岸線沿いをドライブした。この自然溢れる島の夕陽をじっくり見たいという僕の希望を叶えるためだった。

夕焼けがよく見える場所に到着した。車外に出てしばらく景色を眺めた。少しすると次男が影踏み遊びを始めた。
こんなゆったりとした時間がずっと続いてほしいと思ったが、夕日はあっという間に落ちていった。

最後の晩餐は郷土料理を食べたくてローカルな雰囲気満点の居酒屋に決めていた。駐車場は特に線などは引かれていなかった。他の人の邪魔にならないように停めればいいのかなと自分の中で納得しながら駐車した。車から出るとたくさんの猫がお出迎えしてくれた。その様子を見て

「今日の夜ご飯屋さんは猫屋敷だー!」

と息子達が騒ぎ出した。確かにちょっとそんな雰囲気はあったが、その言葉は店内では言わないでほしいなと思った。

そのお店で食べたいと思っていたのは「島寿司」という料理だった。温暖な気候の中でも、できるだけ鮮度を保つために漬けにした魚の切り身をのせた寿司だった。大きな違いとしては、わさびの代わりにからしが入っていることだった。昔は島内でわさびの入手が困難だった名残からきているらしい。
からしと魚の相性ってどんな感じなんだろうかと全く味のイメージができていなかったが、これが特に違和感なく美味しかった。

あっというまにさらっと食べ切ってしまった。帰り際にお店の計らいでガチャガチャのカプセルを子ども達がもらっていた。

ホテルに帰って開けてみると猫の人形が入っていた。

「やっぱり猫屋敷だったね!」

と次男が言ってみんなで笑った。
次の日は早朝から帰る支度をしなくてはいけないので夜更かしはせずに早めに就寝した。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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