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一生記憶に残る景色〜八丈島旅行③〜

「ガタガタ道だー!ディズニーのアトラクションみたい!」
息子達が嬉しそうに騒いでいる。
八丈島のシンボルとして大きな存在感を放っている八丈富士という山の途中にある「ふれあい牧場」という場所に向かっているところだった。

牧場に到着する頃にはすっかり雨はあがり太陽の光も戻ってきていた。「ふれあい」という名前はついていても実際には柵の外から放牧されている牛を眺めるくらいだが、景観が最高に良いとの評判だった。
八丈島の街や港、空港が一望でき、評判以上に素晴らしい景色だった。そして何よりも先ほどの雨が上がり、すぐに晴れ間が出たので空には虹が現れていた。
ただでさえ絶景なのに虹まで一緒にみることができた。しばらく、その幸運を噛み締めながら家族みんなで虹や優雅に過ごす牛を眺めた。
僕はこの瞬間をきっとこの先もずっと覚えていると思う。それくらい綺麗で荘厳な景色だった。

しばらく牧場を散策して車に戻った。
先ほどの雨で濡れてタンクトップ姿になっていた次男は傍から見たら完全に島民に見えていたと思う。

少し大回りしてドライブを楽しみながら温泉へ向かった。途中、息子達が寝たのでカフェに寄ってテイクアウトのコーヒーを買っている最中に、飛行機が空を横切っていった。
昨夜、ラーメン屋で女の子が教えてくれた僕らが乗ってきた3便と同じ時間の飛行機がきっと到着したのだ。確かにこれだけ大きな音と近さで飛行が離着陸していれば時計のアラームのような感覚になるのかもしれないなと思った。

コーヒーのコップが空になる頃にちょうど良く子ども達が起きてきた。次の目的地は温泉だった。駐車場に停めながら
「今日はお父ちゃんとお母ちゃんとどっちと入る?」と息子達に聞いた。
すると長男は
「今日はお父ちゃんと入る」
とすぐに言った。来年の4月には小学生になる長男は最近外で風呂に入る時は男風呂に入ると自分で選択することがほとんどになってきている。
すると次男は
「じゃあお母ちゃんと入る!」
ということで二手に綺麗に分かれて風呂に入ることになった。
これから入る温泉は「みはらしの湯」というこれまた景色がとても綺麗だと評判の場所だった。露天風呂から見る景色を楽しみにしていた。
長男の体を洗うのを手伝い、自分も洗い終えて二人で露天風呂へ向かった。楽しみにしていた景色は再び黒い雲に覆われていて思い描いていた景色ではなかった。
でも、湯に浸かりながら昨日からの八丈島での出来事を二人で思い返しながらゆっくり話をした。特別な時間になった。

風呂から出るとまだ妻達は出てきていなかったので、ベンチに座って帰りを待つことにした。
客の出入りを眺めていると、お昼に訪れた蕎麦屋からお土産屋さん、牧場とずっと同じコースで観光していたグループが風呂に入って行った。ここまで一緒なのかとちょっと笑ってしまった。
そんなことを考えている内に妻達が出てきた。車に乗り込み今日の最終目的地の焼肉屋さんへ向かった。

その焼肉屋さんは「三年目の浮気」という個性的なネーミングのお店だった。縁起でもない名前だが、味は確かで僕も妻も大満足だった。帰り際にキャンディをもらった。その時が息子達にとっての夕飯での一番テンションがあがった瞬間だったようだ。
お肉よりお菓子の方がまだ嬉しい時期で良かったと少し安堵した。

ホテルに帰ってお風呂に入ると、遊び疲れたのかあっという間に子ども達は寝てしまった。
妻と2人でこっそり買っていたアップルパイとショートケーキを静かに食べた。ショートケーキの上にはいちごの代わりにシャインマスカットがのっていた。ぶどう好きの妻は満面の笑みを浮かべながら食べていた。
息子達には少し申し訳ないけど、妻とのこの時間も、家族旅行の楽しみの一つだったりする。

あっという間にこの旅行も折り返しになっていた。最終日は朝9時の飛行機で帰るので、実際に遊べるのは明日が最後になる。子ども達の寝顔を見ながら、明日もたくさん遊ぼうねと心の中で語りかけながら眠りについた。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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