ツヤ子調べ①『乳幼児の発達障害診療マニュアル』を読んで

発達障害の復習をしよう!

M先生のクラスの子ども達の『落ち着きのなさ』を相談されてから、他のクラスにも同様の現象が起きていることがわかってきました。
そして、子ども達の発達も心配ですが、職員の分裂とクラスのブラックボックス化はさらに進んでいることに、鈍感なツヤ子はようやく気づき始めました。

とりあえず、大人事情より、目の前の子ども達をなんとかしなくては、ということで、『発達障害の復習をしよう!』と、思いました。

『乳幼児の発達障害診療マニュアル』 洲鎌 盛一著 医学書院 2013.5.25
を読んでみた

内容は

著者の洲鎌盛一先生は国立成育医療研究センターの総合診療部で活躍されていた医師です。
国立成育医療研究センターといえば、全国から難しい病気の子どもが、頼りに集まる病院ですよね。そこでの経験と知識をまとめられた本です。
『医学書』にカテゴライズされる本かもしれませんが、巻末の索引を含めても115ページなので、手に取りやすいと思います。


構成は


Ⅰ)発達障害概説
Ⅱ)発達障害の診断
Ⅲ)乳幼児健診における発達障害の診かた
Ⅳ)発達障害児の指導
の4章で構成されています。

分かること

  • 発達障害の分類と症状

  • 乳幼児の定型発達の見分け方のポイント

  • 発達の促しかたの具体策

がよくわかる内容です。
症状やポイントが、箇条書きで簡潔に書かれているので、とても読みやすいです。


客観的に発達を評価する

保育現場では子ども達の『(大人が)こまる行動』に意識が向きがちです。そして、日々、職員はそれをなんとか止めさせようと労力を注ぎます。
けれど、この本に載っている定型発達の見分け方を利用することで、『こまる行動』も自我の芽生えだったり、成長の前触れだったりと客観的に評価できるようになるのではないかと思いました。
また、発達の促しかたも書いてあるので、センスのいい保育士さんなら、きっといいヒントになるのではないかと思います。

保育感の溝を埋めるヒント?

医師が診断に使う基準ではあるが、保育現場での子ども達の発達評価基準にも十分なると思います。
職員独自の保育感で、保育の質にばらつきがみられる保育現場。保育の質の平均化に役立つのでは?、と思いました。
さらに、保育の質の平均化が出来たとしたら、不適切保育を防いだり、職員の疲弊を軽減できるかもしれません。もっといえば、『保育感の違い』が起きることも減らせるかもしれません。

各クラスに1〜2人くらい

この『診断マニュアル』に従って、協力してくれる保育士さんと子ども達を観察していると、『発達障害かな?』と、いう感じの子はクラスで1〜2人くらい、とツヤ子は感じました。


新たに生まれた疑問

確かに、子ども達の行動は一見、多動性障害や自閉症のように感じます。けれど、『こまった行動』は保育士が変わると症状が変化することにツヤ子は気が付きました。
(最近、『家政婦は見た!』の市原悦子のように、廊下掃除とかしながらクラスの様子を覗いている…。何分、ブラックボックス化が深刻なもので…)

もし、脳の認知機能に問題があるなら、人や場面を見て行動を変えるのは難しいのでは?
だから発達障害があると集団生活に合わせるのが苦しくなるのでは?

でも、この子達は違う。

保育士が誰かを見て行動を変えている…。

そして、『A先生だと子どもが落ち着かない』『B先生なら子ども達は大人しくて言う事をきく』といって、職員の分裂がまた深まることに…。

何が子ども達をそうさせたんだろう?

新たな疑問が生まれてしまいました…。

そして、ツヤ子調べはまだまだ続く…。

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