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スポーツにおける「ずる賢さ」は悪なのか

プロアマ問わず、スポーツで見られた戦略が「面白くない」「卑怯だ」「見ていて不快」などと物議を醸す事がある。

<例>
 ・松井秀喜5打席連続敬遠
 ・サッカー日本代表のパス回し戦略
  (2018年W杯ポーランド戦の西野采配)
 ・FC町田ゼルビアの戦術
  (ロングスロー・PKボール水かけ)

しかし、私は肯定派だ。何一つ悪くないと思う。
プロアマ関係なく、本気でやるスポーツは結果が全ての世界である。リスクを避ける消極的プレーや、狡猾でダーティーな戦い方を選択すべき場面は出てくる。このような醜い部分も含めてスポーツだと考えている。(もちろん、故意に相手を怪我させる事や差別的な発言など、相手を傷つける行為は許されない)

私はスポーツ選手や専門家ではないが、よくある批判に対する私なりの反論を纏めてみた。
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「そんなやり方で勝って嬉しいか?」
→嬉しいに決まっている。

「スポーツマンシップがない、正々堂々と戦うべき」
「学生の部活動は勝敗以上に人間形成の場でもある」

→ “スポーツマンシップ” ”正々堂々”という言葉を履き違えている。ルールの中で工夫・試行錯誤する者は十分その競技精神に則っていると思う。安っぽい『感動』や『美談』を味わいたいが為に都合よくその言葉を利用してはいけない。

「今日は勝てても次に繋がる戦い方ではない、競技レベルは上がらない」
→今日を本気で勝とうとする者にこそ次があると思う。文句を言う前にその戦略への対策を講じるべきではないだろうか。仮に本当におかしな戦い方ならいずれルール改正があり禁止されるはずだ。

「金を払って観に来たのに面白くない」
→少しはスポーツを理解した上でお金を払うべきだ。もしくは良い勉強になった分の対価だと思えば良い。予告編で面白そうだと思い観に行った映画が期待外れだった事など普通にあるだろう。期待外れのリスク承知で金を払うか、嫌なら金を払わない、この2択だ。

「プロ選手は金を貰っているのだから観客を楽しませるプレーをする義務もある」
→それはプロ選手にとって勝敗以上に優先すべき事ではない。試合はサーカスや大道芸ではないのだから。

「観ていて面白くなければ人気度や競技人口は減少する」
→何を面白いと感じるかは人それぞれだが、これはその通りだと思う。ならばそのスポーツの魅力度を高めるルール改正を実施するしかない。批判すべき対象は”選手”でも”監督”でもなく”ルール”のはずだ。
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賛否あるだろうが、なりふり構わず勝利に貪欲な彼ら”スポーツマン”に、私は大きな拍手を送りたい。

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