小さな恋の物語part2
今日は麻衣さんにリクエストしてもらったお題、「小さな恋の物語」です。
麻衣さんのnoteはこちら。
で、初めに言います、このお題すっごい難しい。
こんなにも世の中には恋愛ものの映画や漫画、小説や演劇が溢れているのに、身近な恋を探そうとすると、恋ってやつは途端に存在を消してしまう。
もう、なかなかどうして見つからない。恋ってのは恥ずかしがり屋さんなんですかね?
で、そんな恋と言えば、「恋焦がれる」っていう表現があるじゃないですか。恋に心が焦るのか、恋に心が焦されるのか、それとも恋を焦がして心が焦っちゃうのか。
まぁ何にせよ一大事なことは伝わるよ。
そんな恋焦がれる気持ちってのは、何をおいても優先されて、僕たちの決意なんて関係なくなっちゃう時があるよね。
今日はそんなお話。
小さな恋の物語
「あのさ、今から行ってもいいかな?」
「え、どこに?」
「いや、キミに会いにだよ」
「え、そりゃ嬉しいけど、、」
「でもさ、まだ夜だよ?」
そう言われて彼は外を覗き込む。まだまだ空はその紺色に染めた表情を崩さないだろう。
とは言え、大阪の夜は明るい。決して、お酒を飲んで陽気な人が増えるという意味ではない。なんなら大阪人はお酒を飲まなくても陽気だ。
太陽がその役割を終えた後、大阪のような都市部では街のネオンがその役割を引き継ぐことになっている。いや、なってはいない。勝手に思い込んでいる。
「朝まで待てと言うのかい?夜はこれからじゃないか。。。」
分かっている、彼は十二分に今が夜であることを理解している。だからこそ、この焦燥感を表さずにはいられない。
「でも、今日もさっきまで一緒だったし、明日までは待てないの?」
「待てないね、僕は今キミに会いたいんだから」
「そう、でも私にも門限があって、来てくれても会えるかどうか、、、」
「そんなこと、やってみないと分からないじゃないか、僕はそんな不確実な理由でキミを諦められないんだよ」
「分かった、、じゃあ、待ってるね」
彼はすぐに立ち上がり、部屋を出た。鞄も持たず、鍵もかけず、ポケットにはライター1つが入っているだけだった。
キミに会いたい、ただそれだけを胸に彼は歩を進める。扉が見えた、既に早歩き程度だったスピードが、更に増したようだった。
(コンコン、)
(コンコン、)
彼が相手の待つ扉の前に辿り着き、夜だからだろうか、控えめにノックを二回繰り返す。
(キィー)
油が切れたような、そんな音をたてて扉が開く。
「やぁ」
「ここのところ毎日こんな感じだね」
「いや、だって我慢できないんだよ」
「で、どうしたの?」
「煙草が吸いたいんです」
「夜はダメだよ、、」
おしまい。
これは、夜間禁煙している利用者さんの話でした。恋焦がれる感じが出てたかな?\(//∇//)\
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またねー^ ^
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