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好きな人には好きと伝えたほうが良いという話


これは大学2年の夏の話


学籍番号が僕の1つ隣の柔道部の男子と
陸上競技部で長距離をやっていた女子2人の
4人で海へ遊びに行くことになった。

女子2人のうち1人の子は、僕が当時好きだった子だ。
その子は愛知県の田原市出身の子で、
お盆休みに実家へ帰るというタイミングで遊びに行くことになった。

天気は快晴!
大学生が聞きそうなノリの良い音楽をかけながら
田原の海をめがけて車を走らせる。
田原というのは渥美半島にある市で、
名古屋からだと車で3,4時間くらいかかる場所だ。
ほとんど信号もなく、車もランナーも走りやすい町だ。

その日はまるで小学生に戻ったかのように
ワクワクとドキドキが止まらなかった。
ほか3人には浮足立っていると思われたくなかったので
クールぶっていたが、高揚感のある夢のような1日だった。
大学の思い出は何ですか?と聞かれたら
まずその1日は頭に浮かぶだろう。

午前中は車の中でおしゃべりを楽しみ、昼過ぎに海へ着いた。
浮き輪を膨らませ、小さなテントを立て、海水浴を楽しんだ。
好きな子と海へ来るのはこんなにも楽しいものかと、この時間が永遠に続けばいいのにと思っていた。

そんな思いに浸っていると、柔道部の彼が女子たちの隙を突き
浮きイカダから長距離女子たちを海へ落として遊んでいるではないか!

おおあっあ・あ・あ・あ…
おおっお前は何ということをしている!

と冷や汗をかいたのだが
そこはけんかになることなく、事無きを得た。ほッとした。

ここで話は少し脱線するが、彼女たちについて少し補足すると
彼女たちは1500m走を約4分30秒から5分ほどで走る。
僕は長距離は苦手なのだが、彼女たちにどうしたら速く走れるのか
という質問をしたら「気合と根性だね!」と笑顔で答える子たちである。
体も細く、背も高くはない華奢な子から
そんな逞しい言葉を聞いたのがすごく印象に残っている。

話は戻り。
夕暮れ時の海は、風情があふれすごくきれいだった。
お別れの時間になり、田原の実家までその子を送った。
その後、3人になった僕たちは恋愛の話で盛り上がっていた。
いや、盛り上がっていたというよりは真剣なトーンでの
静かなガチ恋愛トークを繰り広げたと言ったほうが正しいか。
帰りの道中は、夏特有の一時的なドシャ降りの雨が降り、ドラマのワンシーン感がより一層増した。
その子はかわいくて人気だったし、他の男の子からもお誘いはあったと思う。
そんなマドンナ的な存在と海で遊べたという経験は
僕にとって特別なものだった。
だが、当時の僕には自信がなく、
高嶺の花のような存在のように思っていた。
同じ部活に所属していたので
もし告白してフラれたらどうしよう、気まずいなんていう
典型的な不安におびえていた。

西野カナの歌に共感していたのだ。
『傷つきたくない、嫌われたくない、でも誰かにとられたくもない』
だった。

楽に話せる関係を保っていたかったのだ。
傷つけたくないから近づきたくないみたいな感じだ。
当時の僕はこの気持ちが強かった。
それにこじつけて、べらべら自分のことをしゃべるのはカッコ悪いことだと思っていた。

その後

結局僕はその後、数回その子とご飯へ行くも、告白することはなく
大学を卒業した。
しかし、時がたった今振り返ると思うのだ。
好きな人には好きと伝えた方がよいと。
あの人は絶対に告白すべき人だった。
昔の自分をひっぱたいてやりたいとさえ思っている。

こう思うのは、あの夏の経験と合わせて、社会人になり、”仕事”をしていくうちに考えが変わっていったからだ。

1.まず世の中に女性はたくさんいる。
いい人もそうじゃない人もいるのだが、素晴らしい人はたくさんいるから
視野を狭めて重たく考える必要はない。
ダメなら次だ!うつむいている暇はない、周りを見渡そう。
むしろ、また誰かに告白するチャンスをもらえた!
という心意気でいきたい。

2.その”タイミングでしか、できなかった”ということだ。
人生においてタイミングというのはやはりある。
大学生時代にしか会えない子だったわけだから、その時に告白しておくべきだった。”タイミングを大切に”

3.好きな人に好きと伝えるのは良いことだ。悪いことではない。
言われた側は嫌な気はしないだろう。くどいのは良くないが…
’好きと伝えること’と’お付き合いできるかどうか’
は別の問題だと思っている。
好きを伝える意思表示は大切だ。
僕はあなたを好きです。と伝えてみよう。

それからの僕は何回か恋人にしたいと思うような人に出会うわけだが
残念なことに、未だ彼女はいない。
ただ1つ違うのは、好きです、と
素直に伝えてきたということだ。
毎回、緊張で吐きそうになりながら一生懸命伝えている。
そして、もう1つ分かったことは告白してダメなら結果が分かり
けじめがつくということだ。
告白しないと結果が分からないからずっとモヤモヤしてしまう。

これはビジネスにおいても同じことが言えるだろう。
お客様との商談中が多い営業マンは成果が出ないという。
結末まで追いかける。
ご縁がなかったお客様はそれまで。
次の新しいご縁を探せばいいのだ。
世界は広いだから。新しいワクワクを求めて前を向こう。
あ~!もう一度あの夏に戻りたい!(笑)

次回(将来のことを何も考えていなかった時)の話。


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