卒業おめでとう ~未来を歩む~

はじめて貴女に会ったのは7年前の岩手県釜石市。
3月11日を東北で迎えたい、手を合わせたいと
集まったなかに貴女がいました。当時、岩手でボランティアをしていることからご縁となりましたね。

「4月から先生になるんです。」
とびっきりの笑顔に眼を輝かせそう言った貴女に
素敵な先生になるに違いないと思わずにいられませんでした。

はじめて会ったにも関わらず
箱崎に住む小林さんの家へお世話になり
同じ布団で眠ったことも今では思い出。

不思議と切れることのなかった縁は
年に一度、いいえ、二年に一度だろうか。
ご飯を食べながら近況報告をするように。
私が知っている貴女はとろけそうな笑顔と
甘い声の女の子。学校のことや生徒のことを教えてくれましたね。

数年経ち、初めて先生としての貴女と会ったとき、
あのとろけそうな笑顔と甘い声は封印されていました。いつか会ったときに教えてくれた「さえちゃんと会ってる時の私なんて生徒に見せられない。こんな姿は見せないから見ると生徒が驚いちゃう。」そう教えてくれたように、そこにいたのは「先生」としての貴女でした。


2018年の合唱コンクールで生徒たちが
福島県南相馬市小高中学校の生徒と先生が紡いだ言葉で作られた「群青」を選んだのもきっと、日頃から貴女の姿を見ていたからに違いないと思ったし、子どもと大人心の間で揺れ動く多感な中学生との触れあいを教えてくれたり、可愛いんですよなんて写真を見せてくれながら目尻を下げて教えてくれる貴女は本当に楽しそうで。

合唱コンクールの前には、生徒たちの心構えをつくりたい、深いものにしたいと休みを利用して1人岩手へ向かった貴女。自分の眼で現状を見て生徒たちに伝えたいという思いでしたね。新宿のホームで行ってきますと旅立った貴女は「休み明け、皆に東北へ行ってきたよと驚かせるんだ。」とも言っていました。そんな先生のクラスに私もなりたかった。本当に魅力的でカッコいい。

当日、聴きに行かせてもらえた合唱コンクール。震災で被害にあわれた方々へ心を寄せている皆さんであること、練習も一生懸命していたことを事前に聞いていたので当日はこちらが緊張しました。休憩時間に生徒わざわざ挨拶にきてくれた生徒たち。その後の円陣を組んでの掛け声。まさかその掛け声が「今日来てくれている三浦さんやさえちゃんに届くように歌うぞ!」なんてこちらが泣きそうになる言葉で気合いをいれてるなんて誰が想像したでしょうか。

出会えるはずのない中学生と出会えたこと。歌をとおして感動をいただいたこと。それだけでも私のなかでは大きなことだったのです。


そしてこんなことあるのかなと思う授業参観への参加。父兄でもない、親族でもない。校長室でお茶をすする私はなんだか無性に面白くなってきたんだよ。

教室の後ろから皆を見て、これが日常の風景なんだと思ったときにふと上を見上げ見えたもの。天井に貼られてた皆の力強い絵は、若いって素晴らしい、いのちが生き生きと跳ねているように思うと同時に私のなかにあるいのちも連動して喜んでいるような、そんな瞬間でした。



自分の持っているすべてを
あの子達の為にと全力でかかっていく
そんな貴女に何度、私は感動したでしょうか

そして今日。3月12日。
いよいよ、卒業式ですね。

卒業する皆のために、できることをすべてやろうと全力で走っている貴女を見てそんな先生と会ったことがなかったものだから、平成のこの時代にもこんな熱血な先生がいるのかと驚くとともに私までワクワクしたりドキドキすることができました。

この the night
後悔しないように生きようという曲
とても気に入りました
何度も何度も聴いてます
浮かぶのは生徒の笑顔
そして貴女の姿です

皆の人生のなかに少しだけ登場できたことが嬉しかった。今日の貴女は笑ってますか。泣いていますか。
貴女の晴れ姿を心に浮かべながら旅立っていく33名の生徒が高くて広い大空へ飛び立っていくのが見えるようです。


中学生と触れ合う機会を何度もくれて
有難う
恥ずかしくない大人になろうと思える出会いを有難う
心をしゃんとできる機会をくれて有難う
中学生の心に戻してくれて有難う
私にまで未来を描かせてくれて有難う

33人の旅立ちに
心からおめでとうの
エールを送ります

卒業おめでとう
そして、先生
本当にお疲れさまでした

私もまた新しい気持ちで
未来を歩いていきます

後悔しないように生きよう!

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