見出し画像

大学を目指している君へ。ぜひオープンキャンパスに行ってみて。

「オープンキャンパスに行ってみて。」

 こんな題名にしておきながら、私は、大学の雰囲気を知るためにオープンキャンパスに参加することには反対です。

 オープンキャンパスなんてものは、所詮、大学・学生側が高校生たちをもてなすために準備された「大学の非日常」です。そのため、将来大学に通う雰囲気を知るために行ってもそんな目的はとうてい達成できません。だいたいオープンキャンパスでは大学生よりも高校生たちの人数の方が多いのですから、ここに普通の大学生活を見い出すことは難しいでしょう。
 当たり前ですが、入学後なんてみんなテンション高くなく、意欲的な姿を見せてくれたオープンキャンパスとは打って変わって面倒くさいとつぶやきながら毎日講義に出席しています。そんな大学生の日常はオープンキャンパスには存在しません。

 また、模擬講義も実施されるでしょうが、それも通常の授業とは少し違うというのが私の印象です。本当に大学の講義と全く同じものを行ったとしたら、通常全15回で構成されている講義内容のうち1回分だけ聞くことになって中途半端となりますし、だいたい基礎知識がない状態で専門的な内容を聞かされても分かるはずがないですから。
 しかも、模擬講義とは大学・学部に興味を持ってもらうためになされるものです。ゆえに、たとえすごくおもしろかったとしても、入学後の授業が全てそうとは限らないでしょう。
 というわけで、模擬講義も講義形式であることにより一見大学生の日常感を出していますが、個人的にはこれも非日常です。

 しかし、そんなオープンキャンパスにも見るべきところもあると私は思います。結論から申し上げますと、校舎・学生・ライバルです。

 まず、校舎について。オープンキャンパスでは大学側は高校生たちに自らの大学をよく思ってもらおうとしているのですから、悪いところなんか見せてくれません。しかしながら、校舎だけは取り繕えません。オープンキャンパス時のみ、すばらしい校舎を用意するだなんてできませんから。ゆえに、校舎については「大学生の日常」だと言えます。
 校舎というのは意外と見落としがちなポイントだと思います。モニターの大きさ・画質はどうか、椅子と机の使い心地はどうか。こんなことで良いと思います。正直大して重要な要素ではないかもしれません。しかし、これらの事実はうそをつきません。

 次に、学生です。オープンキャンパスには学生スタッフと話ができるブースがあるかと思います。ぜひ、そういったところで学生のナマの声を聞いてみてください。
 大学のオープンキャンパス担当者は、高校生に対して耳障りの良いことしか話さないかもしれません。しかしながら、学生はそんなことはないと思います。彼ら彼女らは暑い暑い夏休みに大学に出てくるほど意欲のある人たちです。ですから、少なからず何か高校生たちに伝えたいことがあって学生スタッフに応募しています。
 確かに、彼らの言うことは主観的な話です。しかし、全く偽りのない話でもあります。すごく緊張するでしょうが、ぜひ何か聞いてみてください。彼らの話には「大学生の日常」が詰まっています。

 最後に、ライバルです。オープンキャンパスに特に全く意味もなく来る人はいないですから、その場にいるのはあなたのライバルになり得る人たちです。人間、競争相手が存在すると分かるとやる気に火が付きます。個人的には、最後大学に受かるか否かを分けるのは気持ちがあるか否かだと思っています。
 あなたの行きたい大学に触れられる機会はそうそうありません。忙しいかもしれませんが、ぜひライバルが大勢存在することを自分の目で確認してください。きっとくじけそうになった時にその記憶があなたを立ち上がらせてくれます。

 長くなりましたが、まとめますと「ハコ(校舎)・ヒト(学生)・ライバル」です。そして、あくまでこれらは例示にすぎず、オープンキャンパス後も変わらぬ「大学生の日常」はそれら以外にも潜んでいると思います。

 受験日当日が、大学があなたたちを選抜する日だと言うなら、オープンキャンパスはあなたたちが大学を選抜できる日です。誰だってそうですが、選抜されるとなればよいところしか見せようとしません。そんな中から「大学の日常」を見い出し、そして、オープンキャンパスをあなたのやる気エネルギーにしてください。受験勉強、応援しています。

サポートを頂けるのも嬉しいですが、スキ・コメントをして頂けるとすごく励みになります!