放たれぬ矢
人は皆、平等に弓を持ち合わせているのだろうか。
矢は与えられているのか。
それはどんな矢だろうか、自分で作った矢だろうか、人から与えられた矢だろうか。
それで戦えるか、役に立つ矢だろうか。
人が羨む矢か、人が怖れる矢か、それとも途中で折れる矢か、途中で落ちる矢か。
弓の弦はすぐ引けるか、引けない位硬い弦か。
硬ければ軟かくなるのか、そのまま引けない弦なのか。
自分は弱々しい不安な矢と、恐ろしく硬い弦の弓を持ち合わせてたと思う。
矢は少しずつ尖らせていき、多少見栄えも良くなってきたところで、硬い弦を引き始めていたが、
時間をかけて、少しずつ引いていったが、切れてしまった。
なので、その弓は捨てた。
途端、自分が探していた欲しい弓を見つけることが出来た。
ただ、矢は無く、弦もやはり恐ろしく硬い、しかもこの弓には使用期限があるみたいだ。
使用期限が切れるまで、そう時間が無い。
なんでもっと早く、この弓を手にとれなかったのだろう。
しかも矢も自分で作らなくてはならない。
時間が無い。
弓を引き、矢を放つ時間が足りない。
引ける保証もどこにもない。
果たして自分の人生のうちで矢を放つことはできるのであろうか。
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